【解説】スイッチング電源の基本(上級編) 回路はブロック図を理解できれば十分!

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電気回路を勉強した人は回路図は理解できますが、そうでない文系の人間にとっては回路図は大きな壁です。ここでは設計するわけではないので、スイッチング電源を大まかなブロックに分けて説明します。

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スイッチング電源の回路ブロック

 

スイッチング電源はまずノイズを減衰する「ラインフィルタ」と突入電流を抑える「突入電流防止回路」があり、「整流・平滑回路」で交流を直流にします。まだ非安定な直流電圧をトランジスタやMOSFETで高速スイッチング(ON/OFF)して高周波のパルス状にし、「高周波トランス」に電流を流します。トランスの後段で整流ダイオードと平滑コンデンサでならし、その出力電圧を「検出回路」で検出・比較して「制御回路」で電気信号をスイッチング部へフィードバックしてパルス幅を制御して出力電圧を一定にします。

 

ラインフィルタ

コモンモードチョークコイル

コモンモードチョークコイルで入力側から流入するノイズと反対に電源内部から入力側へ戻るノイズを減衰させるノイズフィルタの役割になります。

 

突入電流防止回路

入力投入時に平滑コンデンサに流れ込むサージ電流を減らします。電解コンデンサは充電されていない時に入力すると電流が一気に流れ、充電されて電圧が上昇すると共に電流値が下がります。突入電流値は平滑コンデンサの容量で決まります。

入力ラインに抵抗を入れることで突入電流(サージ電流)は最大AC100V入力時15A、AC200V入力時30Aになります。ただし、抵抗で突入電流を抑えるやり方は電源動作時に常時、抵抗に熱損失が発生するため、100W〜150Wまでの小容量の電源でしか使えません。

 

サーミスタ

それ以上の容量の電源ではサーミスタを使って突入電流を抑えます。サーミスタ方式はサーミスタが低温時に抵抗値が大きいため突入電流を抑え、その後サーミスタが高温になると抵抗値が小さくなりますので損失(熱)が小さくできます。

 

整流・平滑部

ブリッジダイオードで整流

ブリッジダイオード

ブリッジダイオードはダイオードを4つ使って交流から直流へ変換します(全波整流)。

例えば交流電源から①から⑧へ電流が流れる場合、途中の④⑤では④→⑤へ電流が流れます。

 

次に交流電源が反対の向きに電流が流れる場合、④⑤では⑤→④へ電流が流れるはずなのですが、ブリッジダイオードによって④から⑤へ流れるように、つまり交流の電流が流れる向きを同じ向き(直流)にできるのです。

 

このブリッジダイオードによって電流の向きは下の図の青の点線の部分が反対側に倒され青の実線になります(全波整流)。電流の向きは直流になったものの、このままだと電圧の変動が大きいままです。

 

平滑コンデンサでなだらかに

電圧が下がりすぎるのをアルミ電解コンデンサで電圧を”なだらか”にします。電解コンデンサは蓄電できるので入力電圧が低下する部分は放電することで電圧の低下を防ぐことができます。ピンクの部分がコンデンサの放電により電圧の低下を防いだ部分です。アルミ電解コンデンサを使うのは充放電するので容量がある程度必要なためです。

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