【解説】スイッチング電源の基本(上級編) 回路はブロック図を理解できれば十分!

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スイッチング部

整流・平滑した直流をトランジスタやMOS-FETでON/OFFして高周波パルスにします。トランジスタもMOSFETもスイッチングする(ON/OFFする)という意味ではどちらでも使えますが、容量が大きくなるとトランジスタだと2つ使うところMOSFETだと1つですみます。

 

高周波パルスのイメージはこんな感じです。

 

 

 

トランス

上の高周波パルス電圧をトランスで電圧を降圧します。

 

 

 

入力側のコアにはN1回の導線が巻かれ、出力側のコアにはN2回導線が巻かれているとします。
入力側からV1(V)の電圧、I1(A)の電流を流すと入力側の導線には赤の矢印の方向で電流が流れます。
すると右ネジの法則で入力側のコアに磁場(磁界)が下向きに発生します。

入力側はスイッチングして電流を流したり止めたりしていますので磁場が変化します。磁場が変化することで出力側のコアにはこの磁場と反対方向(上向き)の磁場が発生し、出力側には誘導電流が流れます。

トランスは巻き数比により電圧を変換します。電圧比は巻き数比に比例します。
V2/V1=N2/N1
また、エネルギー保存の法則で入力側の電力(電圧×電流)と出力側の電力は同じです。
V1×I1=V2×I2

 

制御回路

 

制御ICでトランジスタやMOS-FETのON/OFF時間を変化させ出力電圧を一定に制御します。
電圧が低い時はON時間を長くし、電圧が高い場合はON時間を短くします。

 

 

 

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スイッチング電源に搭載される電子部品

スイッチング電源には多数の電子部品が使われています。回路設計が出来なくても、部品名と役割を理解しておけば電源回路ブロックを理解出来ます。

100Wの基板型電源に搭載されている電子部品で説明します。

 

 

  • ブリッジダイオード(整流ダイオード)・・・・4つのダイオードを一つにパッケージ化したモジュールで、交流波形を直流の全波整流にします。
  • バリスタ・・・・電圧によって抵抗値が変化する特性を利用して、静電気や雷サージからICなどの素子を保護するために使用します。
  • セラミックコンデンサ(キャパシタ)・・・・電気(電荷)を蓄えたり、放出したりする電子部品。
  • Xキャパシタ(コンデンサ)・・・・・電源ラインの相間(線間)に接続し、線間を高周波的に短絡することで、雑音端子電圧のノーマルモードノイズを低減する役目です。
  • チョークコイル(インダクタ)・・・・放射ノイズの発生源となるコモンモードの成分だけを選択して除去します。
  • MOSFET・・・・Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor の略で「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」と訳します。このMOSFETでスイッチングして電圧を制御しています。

  • フォトカプラ・・・・LEDと受光素子(フォトダイオード)をICのパッケージに入れたもの。LEDに電流を流すと受光素子がONします。LEDと受光素子は電気的に絶縁されています。

 

 

 

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