電流の流れる方向は誰でも知っていると思います。
電流はプラス(+)からマイナス(ー)へ流れているものと教えられていました。上の乾電池のマンガ絵ではプラス極から電流、+の電子?が出ていくものとイメージしていました。電圧を水位に例えて高い位置にある水が下へ向かって流れるように、電流もプラスからマイナスへ電流が流れると思っていました。ところが実際は違うようです。
本当はマイナス側からー(マイナス)の電子が出ています。真空放電の実験でー(マイナス)側からー(マイナス)の電子が出ていることが証明されています。
つまり、電流と言うのは仮想的な概念であって、実際はマイナスの電気を帯びた「電子」がちょうど電流の向きとは逆方向に流れるということが今のところ真実です。
では、マイナスからプラスへ電流が流れるとした方がいいのではと思いますがなぜそうしないのでしょうか?
というのは、最初に電気を見つけた人が「プラス側から何かが出ている」と考えたそうです。そう考えても論理矛盾はなかったのですが、その後100年くらいたった1897年にイギリスのJトムソンによってマイナス側からーの電子が出ていることが発見されました。これでトムソンはノーベル賞を受賞しました。
しかし、その時はもう既に+プラスからーマイナスへ何かが流れていると世の中に広まっていて、今更訂正できなかったので、そのままプラスからマイナスへ電流が流れるものとしています。そういうことにしておいても特に大きな問題がないからなのでしょう。
でも、本当はマイナス側からマイナスの電気を帯びた電子が流れています。
電流は電子が陰極(マイナス側)から陽極(プラス側)へ移動することで発生する。
そう言えば、何か本を読んだ時に電流の流れとマイナスの電子の流れが逆だったのでおかしいな?と思っていました。