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まさかの坂!LEDが破損! 定電流電源で絶対してはいけない事とは

スイッチング電源は定電圧電源が多いので、負荷につなぐ際に特に注意することはありませんが、定電流電源を使ってLEDモジュールを点灯させる際に気をつける事があります。
このことはLEDモジュールメーカーの取扱説明書には記載されていますが、よく読まないとわかりません。

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定電流電源とLEDモジュールをつなぐ順番

 

定電流電源とLEDモジュールを接続する場合に重要なことは、必ず①定電流電源とLEDをつないでから②AC入力(電源プラグをコンセントに差し込む)してください。
反対の順番で電源にAC入力してから(電源プラグをコンセントに差し込んだまま)、定電流電源とLEDモジュールを繋ぐと電源に溜まった電荷がサージ電流となってLED側に流れます。

サージ電流は電源の機種によりますが、おおよそ電源の定格電流の10~20倍程度程度あります。24V4A(100W)の定電流電源だと40A〜80Aもサージ電流がLEDモジュールへ流れ、LEDが焼損します。なお、ACコンセントから電源プラグを抜いて3分以上経過しないと電源に溜まった電荷はなくなりませんので注意が必要です。

電源メーカーは「入力サージ電流」として電源の入力側に流れる突入電流は仕様書に明記していますが、一般的な電源は定電圧電源が多く出力側にサージ電流が流れることはありません。そのため出力側へのサージ電流は仕様書に規定していません。

 

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LEDを壊したのは?

サージ電流が流れることでLEDが壊れて点灯しなければいいのですが、LEDチップの一部分を焦がしたままで点灯します。顕微鏡で見ればLEDチップの焦げ跡は確認できますが、人の目ではその明るさの違いはわかりません。そのままLEDを点灯し続けると普通数年持つところ、数か月から半年くらいでLEDは消灯します。

LEDモジュールメーカーに寄せられるクレームの多くはこれが原因です。そのためメーカー側はユーザーに注意喚起していますが、初めて定電流電源を使うユーザーも多くなかなか減らないようです。

さて、ここで問題になるのはどこでLEDにサージ電流が流れたかです。もちろん多いのはLEDを設置した時ですが、よくあるのはLEDを現場で正しい順番で繋げた後、LEDの設置場所を変えるため電源をOFFせずLEDモジュールを電源から外して移動させそのまま電源に再び繋げてしまう場合です。(また、電源OFFしても短時間で電源とLEDを繋げれば同じです。)

また、現場でLEDを設置する前に工場でLEDの点灯試験をしますが、ここでも電源を入力したままLEDを繋げたりするとLEDが破損します。その後現場で正しい順序で繋げても半年前後でLEDが消えるか暗くなります。

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LEDの交換費用

高所に設置されたLED看板や高所照明の交換は非常にやっかいです。作業は電気工事士が行うか立ち会う必要があります。高いところは高所作業車(ユニック車)をレンタルしオペレーター(ユニック車の操作者)も雇い、場合によっては道路使用許可を警察からとり誘導にガードマンを雇う事も必要になります。極端な例ですが1つLEDモジュールや電源を交換するだけで50万円以上かかる場合もあります。

 

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