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スイッチング電源の失敗しない選び方【わかりやすく解説します】

スイッチング電源を選びたいけどどれを選んだらいいかわからない方へ

設計者の方は「設計中の装置に長寿命の電源を使いたい。」
資材担当者の方は「コストダウンしたいがどの電源を選んだらいいかわからない。」「廃品になる電源の代替え機種を知りたい。」
販売店営業マンの方は「競合機種と仕様と価格を比較したい。」「スイッチング電源のことをもっと知りたい。」と考えていませんか?

 

こういった疑問に答えます。

 

いろんなメーカーの電源を比較してるけど・・・・・仕様書が各社違うし、果たして電源の負荷率や寿命の見方がこれでいいのか?と不安な方は是非記事をご覧ください。

 

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スイッチング電源の失敗しない選び方

次の3つが重要です。

・基本仕様の確定
・絞り込み仕様の確定
・確認すべき重要な項目

それでは説明していきます。

基本仕様の確定

この基本仕様が最も重要です。

電源の基本仕様は「入力電圧」「出力数」「出力電圧」「出力電流」です。これら4つの仕様が決まれば電源の機種は選定可能です。

なお、電源の基本仕様については「スイッチング電源を選ぶ際に重要な基本仕様」で解説していますので参考にしてください。

基本仕様が決まれば各メーカーの電源を探す、つまり検索するのですが、当サイト「電源ナビ」の仕様検索機能を使って検索すれば一度ですみますので一番楽です。なにしろ国内の主な電源メーカーの電源3万5000機種をデータベース化していますので。

使い方は「スイッチング電源の検索ガイド【検索の使い方とコツをわかりやすく解説】」をご覧ください。

 

絞り込み仕様の確定

絞込み検索はチェックしなくても検索できますが、これだけは絶対に外せない仕様や規格などをチェックしてください。

絞り込み項目をチェックすることで本当に必要な仕様・規格なのかを整理することができます。
具体的な絞り込み項目は機構・機能・規格・ファン・メーカー・生産状況別に以下の56項目があります。

 

 

 

確認すべき重要な項目

検索した検索結果表に最も重要な項目があります。といっても、下の3項目で要点だけを押さえておけばOKです。

負荷率(%)
電コン寿命(年)
最安値(円)

その前に各項目の説明をします。知っている方はとばしてください。

負荷率は周囲温度50℃の時に何%まで負荷をとることができるかを表しています。同じ容量でも100%使える電源と60%しか使えない電源では大きな差があります。「0%」という場合は50℃の周囲温度では使えませんという意味です。

電コン寿命は周囲温度40℃、負荷率80%の時の電解コンデンサの期待寿命(年)です。これは一般的な環境条件での寿命です。少なくとも搭載する装置や機器の寿命以上の電源を選びます。「電コンレス」という記載は寿命部品の電解コンデンサを使っていないという意味です。

 

 

最安値はネットで一番安い価格とその電源を販売している通販会社を表示しています。ただし、1台での価格ですのであくまで参考価格としてください。数量がまとまる場合はこの価格よりもだいぶん安くなります。最安値の記載がないのはネット販売会社がその機種を販売していないか、販売していても価格表示がないのが理由です。

 

さらに、当サイトでは比較するのに便利なソート機能があります。ソート順1とソート順2を使って複合的に並べ替え可能です。

まず、ソート順1に「負荷率」にチェックします。負荷率の高い順、つまり使える容量の多い順に並びますのでどこまで許容できるかです。100Wの電源の場合、負荷率100%は100Wとして使えますし負荷率80%は80Wとして使えないという意味です。

ソート順2には「電コン寿命」にチェックしてください。装置や機器の寿命が5年であればそれ以上の電コン寿命値が必要です。ただし、ここの電コン寿命は24h365日での年数です。

 

 

次にソート順1に「最安値」、ソート順2に「電コン寿命」または「負荷率」にチェックし価格が安くて装置寿命以上の電源や負荷率80%以上の電源を選びます。
何回かやっていると価格が安いからといって電コン寿命が短いというわけではないことがわかります。

 

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スイッチング電源とセットでノイズフィルタも選ぶべき

 

次にノイズの基本的な説明をします。

ノイズとは

私たちの生活は電子機器で囲まれています。これらの機器・装置は必ず電気的なノイズを発生させます。ラジオやTV に雑音や画像が乱れたりすることくらいは経験あると思います。それくらいならいいのですが、工場の産業機器が誤動作したり、医療機器(ペースメーカーなど)が停止したり、駅の無線機が雑音で聞こえないとなると大変なことです。

ノイズはその伝わる経路から「伝導ノイズ」と「放射ノイズ」の2つにわかれます。
伝導ノイズはケーブルやプリント基板のパターンから伝わるノイズです。放射ノイズは空中から伝わるノイズです。

AC電源で動作する装置・機器はACという共通の電源ラインで繋がっているともいえます 他の装置で発生したノイズがACライン上に伝わり誤動作することもありますし、反対に自分の装置が発生したノイズが他の装置を誤動作させることもあります。
そのAC入力部はノイズの侵入口でもあり出口となりますので、そこにノイズフィルターをつけます。

 

雑音端子電圧とは

スイッチング電源は半導体で高速でスイッチング(入り切り)して電圧を降圧させていますので高周波ノイズが発生します。

その高周波ノイズが入力電線を伝わって入力ラインに戻るノイズを「雑音端子電圧」といいます。
各国で雑音端子電圧に対する規制があります。内容はほぼ同じです。

 

CISPR:国際電気標準会議
EN:欧州
FCC:アメリカ
VCCI:日本

 

ノイズフィルターはスッチング電源の前段に置き、ケーブルを伝わるノイズを減衰するために使います。つまりスイッチング電源から発生するノイズをACラインに戻さないようにするのが主な目的です。

なお、スイッチング電源から出る放射ノイズはノイズフィルタでは減衰できません。
そのノイズは「雑音電界強度」として各国に規制があります。

 

ノイズフィルタの選び方

ノイズフィルタはスイッチング電源より電気仕様項目は少なく簡単に選ぶことができます。

以下の基本仕様が決まればノイズフィルタを選択できます。

定格電圧
・定格電流
・形状

内容は以上となります。お読みいただきありがとうございました。

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