記事 | 電源ナビ https://dengen-navi.com/wp スイッチング電源の一発検索サイト Sat, 18 Sep 2021 14:22:45 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6 https://dengen-navi.com/wp-content/uploads/2020/05/F_s-C_LJ5UPf7z2a532xqe0jrutlAfaHb-9w9HswBazjHF2S-100x100.png 記事 | 電源ナビ https://dengen-navi.com/wp 32 32 パワーコンディショナーと太陽光発電システム https://dengen-navi.com/wp/article/%e3%83%91%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%81%a8%e5%a4%aa%e9%99%bd%e5%85%89%e7%99%ba%e9%9b%bb/ https://dengen-navi.com/wp/article/%e3%83%91%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%81%a8%e5%a4%aa%e9%99%bd%e5%85%89%e7%99%ba%e9%9b%bb/#respond Sat, 17 Aug 2019 05:16:52 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=65

私たちが家で使っている家電製品は「交流」でしか動きませんが、太陽光発電システムで発電した電気は「直流」ですので、それをそのまま使うことは出来ません。それで直流から交流へ変換するのがパワーコンディショナー(パワコン)です。

つまりパワーコンディショナーは太陽電池が発電した電力(DC直流)を、家庭や工場で使う交流(AC100V/200V)に変換する電源装置です。一般的には太陽電池で発電した直流DC320~400Vを家庭にはAC100Vに、工場にはAC200Vに変換します。DC/ACになりスイッチング電源とは正反対の働きをします。DC(直流)をAC(交流)に変換する電源をインバータといいますので、パワコンはインバータなのです。英語ではPCS(Power Conditioning System)と言い、私たちが一般的に呼んでいるパワーコンディショナー(Power Conditioner)では通じないようです。

パワーコンディショナーの説明の前に太陽光発電システムについて説明します。

太陽光発電システムとは

家の屋根に設置している太陽光パネルの容量の全国平均は4.5kWだそうです。メーカーにより違いますがソーラーパネル1枚の出力容量は200~250Wで、4kWだと16~20枚のパネルが必要になります。費用的には120~150万円です。これはあくまでソーラーパネルだけの価格でこれ以外にパワーコンディショナーを設置する架台や接続箱、パワーコンディショナー、ブレーカー、モニター、工事費などが別途必要になります。ブレーカー自体は家に既に設置されていますが、太陽光発電システムに組み込む場合は専用のブレーカーに変える必要があります。総額150万円から180万円以上はかかるのではないでしょうか。これに蓄電池バッテリーを追加するとさらに70〜80万円はかかります。

また4kWの太陽光パネルは常時4kWを発電するかというと4kwを100%発電することはほとんどありません。4kWはあくまでパネルの温度が25℃で最適な日射角度での発電量です。パネル温度が1℃上がるごとに機種によりますがおおよそ0.5%発電量が落ちます。真夏のカンカン照りの車の屋根を想像してください。パネルの温度は最低でも65℃になります。25℃から40℃も高くなっていますから0.5%×40=20% 4kW×0.8=3.2kW 発電量は3.2kWになります。それ以外にもパネルの汚れや建物や電線の影、設置する屋根の方角により最悪発電しないこともあります。

 

太陽光パネルで発電された直流電圧はパネルの「最大出力電圧」と直列接続枚数により変わります。簡単に言えば36Vのパネルを4直列で36V×4=144Vですし、45Vのパネルを5直列だと45V×5=225Vになります。これらまとめて3並列や4並列して容量を増やします。
*実際はパワコンのMPPT機能により最適な電圧は変わりますが、ここではわかりやすく説明しています。MPPT(Maximum Peak Power Tracking)は「太陽光の強さにより変化する太陽電池の最適な発電電圧になるように調整する」機能のことを言います。

 

これらのソーラーパネルで発電された電気を「接続箱」に送りここで電気をまとめてパワーコンディショナーの入力電圧にします。例えばパナソニックのパワコンだと入力が直流320Vなので接続箱で直流320Vに昇圧してパワーコンディショナーへ送ります。もちろんパワーコンディショナーの入力電圧はメーカーによって違います。

 

 

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スイッチング電源の失敗しない選び方【わかりやすく解説します】 https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/how-to-select-switching-power-supply/ Sat, 01 Feb 2020 12:59:45 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=1573 スイッチング電源を選びたいけどどれを選んだらいいかわからない方へ

設計者の方は「設計中の装置に長寿命の電源を使いたい。」
資材担当者の方は「コストダウンしたいがどの電源を選んだらいいかわからない。」「廃品になる電源の代替え機種を知りたい。」
販売店営業マンの方は「競合機種と仕様と価格を比較したい。」「スイッチング電源のことをもっと知りたい。」と考えていませんか?

 

こういった疑問に答えます。

 

いろんなメーカーの電源を比較してるけど・・・・・仕様書が各社違うし、果たして電源の負荷率や寿命の見方がこれでいいのか?と不安な方は是非記事をご覧ください。

 

スイッチング電源の失敗しない選び方

次の3つが重要です。

・基本仕様の確定
・絞り込み仕様の確定
・確認すべき重要な項目

それでは説明していきます。

基本仕様の確定

この基本仕様が最も重要です。

電源の基本仕様は「入力電圧」「出力数」「出力電圧」「出力電流」です。これら4つの仕様が決まれば電源の機種は選定可能です。

なお、電源の基本仕様については「スイッチング電源を選ぶ際に重要な基本仕様」で解説していますので参考にしてください。

基本仕様が決まれば各メーカーの電源を探す、つまり検索するのですが、当サイト「電源ナビ」の仕様検索機能を使って検索すれば一度ですみますので一番楽です。なにしろ国内の主な電源メーカーの電源3万5000機種をデータベース化していますので。

使い方は「スイッチング電源の検索ガイド【検索の使い方とコツをわかりやすく解説】」をご覧ください。

 

絞り込み仕様の確定

絞込み検索はチェックしなくても検索できますが、これだけは絶対に外せない仕様や規格などをチェックしてください。

絞り込み項目をチェックすることで本当に必要な仕様・規格なのかを整理することができます。
具体的な絞り込み項目は機構・機能・規格・ファン・メーカー・生産状況別に以下の56項目があります。

 

確認すべき重要な項目

検索した検索結果表に最も重要な項目があります。といっても、下の3項目で要点だけを押さえておけばOKです。

負荷率(%)
電コン寿命(年)
最安値(円)

その前に各項目の説明をします。知っている方はとばしてください。

負荷率は周囲温度50℃の時に何%まで負荷をとることができるかを表しています。同じ容量でも100%使える電源と60%しか使えない電源では大きな差があります。「0%」という場合は50℃の周囲温度では使えませんという意味です。

電コン寿命は周囲温度40℃、負荷率80%の時の電解コンデンサの期待寿命(年)です。これは一般的な環境条件での寿命です。少なくとも搭載する装置や機器の寿命以上の電源を選びます。「電コンレス」という記載は寿命部品の電解コンデンサを使っていないという意味です。

 

 

最安値はネットで一番安い価格とその電源を販売している通販会社を表示しています。ただし、1台での価格ですのであくまで参考価格としてください。数量がまとまる場合はこの価格よりもだいぶん安くなります。最安値の記載がないのはネット販売会社がその機種を販売していないか、販売していても価格表示がないのが理由です。

 

さらに、当サイトでは比較するのに便利なソート機能があります。ソート順1とソート順2を使って複合的に並べ替え可能です。

まず、ソート順1に「負荷率」にチェックします。負荷率の高い順、つまり使える容量の多い順に並びますのでどこまで許容できるかです。100Wの電源の場合、負荷率100%は100Wとして使えますし負荷率80%は80Wとして使えないという意味です。

ソート順2には「電コン寿命」にチェックしてください。装置や機器の寿命が5年であればそれ以上の電コン寿命値が必要です。ただし、ここの電コン寿命は24h365日での年数です。

 

次にソート順1に「最安値」、ソート順2に「電コン寿命」または「負荷率」にチェックし価格が安くて装置寿命以上の電源や負荷率80%以上の電源を選びます。
何回かやっていると価格が安いからといって電コン寿命が短いというわけではないことがわかります。

 

]]> 国内スイッチング電源市場 https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/domestic-switching-power-supply-market/ Tue, 21 Jan 2020 08:41:24 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=1302

スイッチング電源の国内市場規模

スイッチング電源を内作するメーカーがあるためため、正確なスイッチング電源の統計は存在しません。(スイッチング電源を内作する理由はスイッチング電源の標準品に希望する仕様・サイズの機種がないことや発注ロット数量や単価などの条件が合わず特注スイッチング電源メーカーに受けてもらえなかったことです。)

大まかにはカスタム電源と標準品合わせたスイッチング電源の国内市場規模は4,000〜5,000億円、標準品は400億円といわれています。標準品はスイッチング電源の専業メーカーであるコーセル社とTDKラムダ社の2社でシェア70%の寡占(複占)状況にあります。この2社以外のスイッチング電源のメーカーはオムロン、IDEC、サンケン電気、ニプロン、アジア電子工業、キーエンス、サンエー電機などです。

データとしてはJEITA(電子情報技術産業協会)が3年毎に出版している「スイッチン電源の現状と動向(2019年)」がありますが世界製造額でそれによりますと世界のスイッチング電源の生産額は1兆3587億円(2015年度実績)だそうです。スイッチング電源メーカーの本社(開発)としては日本、アメリカ、ドイツで生産国は中国と東南アジアです。

米中貿易摩擦とスイッチング電源の市場動向

 米中貿易戦争の影響で中国景気減速が強まりアジア経済・ヨーロッパ経済も減速傾向が強まりました。中国側の発表によると昨年2019年のGDPの実質成長率(物価変動を除いた速報値)は+6.1%と2年連続の減速だそうです。

 米国は中国がアメリカから2021年末までの2年間に2,000億ドル(22兆円)の物品を追加購入することで第一段階の合意をしたとトランプ大統領が発表しました。2,000億ドルもすごい額なのですが、内訳は777億ドルが航空機、370億ドルは農産物です。農産物は豚コレラの影響で中国内で不足している豚肉もありますが多くは家畜用穀物飼料です。

 第一段階の合意後もアメリカの対中制裁関税3,700億ドル(41兆円)は第二段階の合意が行われるまで継続するとのことで中国経済の減速は当分の間続くものと思われます。次の第二段階の合意するには中国がアメリカに約束した2,000億ドルを購入することが条件なのではじめから出来ない合意といのはアメリカ国内の評判です。

 アメリカ経済自体はGAFAを中心としたIT関連企業が絶好調で株価も上がっています。残念ながら物作りする企業ではありませんので、日本のエレクトロニクス業界は引き続きスマホやデータセンター関連設備需要の低迷によりメモリー・半導体の市況悪化が続くものと思われます。

一方、第5世代移動通信システム(5G)導入に向けた需要や人手不足による工場のロボットやスーパーやコンビニ・衣料品店などのセルフレジ、物流搬送機器、高齢化社会に向けた医療介護・検査装置、需要拡大中のリチウムイオンバッテリーやLED市場などが立ち上がってきております。

スイッチング電源は装置メーカーの機器や装置に必ず搭載されますので、売り上げはそのまま装置メーカーの売り上げに左右されます。スイッチング電源メーカーはこれらの業界にアプローチしスペックインするしか方法はありません。

国内スイッチング電源メーカーの生産動向

 中国やその他のアジア諸国で特殊な部材以外は調達でき製造コストも安いことで他の電子部品と同様にスイッチング電源も海外に生産シフトが進みました。ー昨年はセラミックコンデンサの生産終了問題がありスイッチング電源の納期がかなり切迫し、一部エンドユーザーはスイッチング電源を他社への置き換えを行いました。スイッチング電源メーカー側も一部主力モデルを国内生産に戻したり、緊急時のバックアップのため複数工場で生産できるシステムへ変更したりなど対応しています。

 海外工場は製造コストが安いとはいえ、輸送コスト・船便日数や税関手続き、為替リスク、トラブル時のエアー対応を考慮すると国内工場より製造コストが実質高くあっていると思います。「見かけ上」は海外生産品が安いのですが、納期遅れ対応で海外工場・下請け工場に数日かけて交渉し、エアーへ変更の手配をし成田空港まで営業マンが直接電源を引き取りに行く場合、そのかかった費用は個別にその製品の原価に上乗せできるわけではありません。それらのコストは工程管理担当者と営業マンの人件費、エアー便費用にまとめられてしまいわかりません。

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LEDの点灯に定電流電源と定電圧電源のどちらを使うのが正しい? https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/led%e3%81%ae%e7%82%b9%e7%81%af%e3%81%ab%e5%ae%9a%e9%9b%bb%e6%b5%81%e9%9b%bb%e6%ba%90%e3%81%a8%e5%ae%9a%e9%9b%bb%e5%9c%a7%e9%9b%bb%e6%ba%90%e3%81%ae%e3%81%a9%e3%81%a1%e3%82%89%e3%82%92%e4%bd%bf/ https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/led%e3%81%ae%e7%82%b9%e7%81%af%e3%81%ab%e5%ae%9a%e9%9b%bb%e6%b5%81%e9%9b%bb%e6%ba%90%e3%81%a8%e5%ae%9a%e9%9b%bb%e5%9c%a7%e9%9b%bb%e6%ba%90%e3%81%ae%e3%81%a9%e3%81%a1%e3%82%89%e3%82%92%e4%bd%bf/#respond Sat, 17 Aug 2019 05:09:02 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=42

LEDモジュール 

 LEDモジュールを点灯させるにはそのLEDモジュールに適合した電源を使います。LEDモジュールの回路により定電流電源か定電圧電源かが決まっており、どちらでも使えるスイッチング電源はありません。LEDモジュールメーカーが「専用電源」を作ったり、標準電源メーカーの電源を「推奨電源」としてHPなどで紹介しています。
 LEDモジュールメーカーはそれらの電源を使ってLEDモジュールを点灯させ照度確認や温度測定、連続通電試験などをしています。同じ仕様の電源であってもLEDモジュールメーカーが推奨していない電源を使ったりすると保証対象外になります。

LEDモジュールが光っています

引用元:レンズモジュール/エーピージャパン

定電流電源

 LEDに一定の電流を順方向に加えて点灯させる、つまり定電流で光ります。定電流電源はLEDに一定の電流を流すので明るさのばらつきはなく、LEDモジュールに定電流素子や抵抗も不要なので消費電力も小さくなります。ただ、希望の電流値に合った定電流電源の種類は限られており、電源メーカーの一般的な定電流電源の電流値は350mA、700mA、1050mAしかありません。適合する電流値がなければ自社開発(カスタム電源)するしかありません。

 電源の開発は回路設計、試作から熱評価とノイズ評価、二次試作から安全規格・PSE規格申請など最短でも1年以上かかります。まともにコスト計算すると2,000万円以上かかるため年間数万台以上販売できる案件でない限りカスタム電源にすべきではありません。仕様や形状に制限ありますが、カスタム電源メーカーが開発済みの定電流電源を電流値・電圧値を変更するのが現実的です。

定電圧電源

 一方、一般に広く流通している定電圧電源を使ってLEDモジュールを点灯させる方法があります。その場合、電流値を一定にするための定電流素子や抵抗をLEDモジュール内に組み込む必要があります。LEDの電圧(Vf値)のばらつきによりLEDモジュールごとに電圧が異なり明るさがばらつくデメリットがあります。定電圧電源の電圧は12Vまたは24V出力が一般的です。定電圧電源は各スイッチング電源メーカーがいろいろな種類のモデルを出していますので価格も比較的安いです。ただし、装置や制御盤で使うことを想定しているため屋外で使用する場合のIP規格や電源にPSEを取得している機種は少なくかなり絞られます。

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PSEの2種類の技術基準 装置はどちらで取得すればいい? https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-pse/2-standards-of-pse/ https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-pse/2-standards-of-pse/#respond Sat, 17 Aug 2019 05:04:39 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=37 PSEには2つの技術基準のPSEがあります。
PSE対象の装置や機器にPSEを取得する場合、どちらの技術基準のPSEを取得してもかまいません。

PSEの2種類の技術基準

 

出典:電気用品安全法「特定電気用品」/経済産業省

PSEの特定電気用品116品目の中に「直流電源装置」の対象品目がありますが、一般のスイッチング電源はPSEの「直流電源装置」ではありません。
というのは、スイッチング電源はそれ単体で使われることはなく、装置組込みむことを前提とするため最終製品を対象とするPSEにあてはまらないからです。

 

スイッチング電源がPSE対象製品となるにはそれ単体で使われるように、形状面でいくつかの条件があります。

 

 PSEは2014年に省令◯項基準から別表第◯へ変更になりましたが、技術基準は変わらず建てつけが変わっただけです。PSEには以前から2つの技術基準がありました。

 ・別表第一~別表第十一(日本独自の技術基準で旧省令第一項基準)
 ・別表第十二(国際規格に準拠した技術基準で旧省令第二項基準)

*別表第十二の独自の技術基準はなく、IECの国際的な技術基準がそのまま「別表十二」の技術基準になります。

 

経産省:電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について

 スイッチング電源は「別表第八」で「直流電源装置」として技術基準が示され、「別表第十二」では「電源装置」としてIECの国際基準が指定されています。
「別表第八」でも「別表第十二」のどちらでPSEを取得してもPSEに変わりはありません。
どちらの技術基準の方が難しいとか易しいとかではなく技術基準の項目が違います。別表第十二の国際基準はEMC(電磁両立性)
高調波電流規制などが厳しく、国内基準の別表第八は絶縁距離や沿面距離などが厳しくなっています。

 

どちらのPSEを取得すべきか

スイッチング電源メーカーの設計基準や試験方法は国際基準のIEC60950-1に準拠していますので「別表第十二」でPSEを取得するのはけっして難しいことではありません。
一方、「別表第八」でPSEを取得するにはトランスと回路基板の縁面・空間・絶縁距離が「別表第十二」のIEC60950-1より厳しくなるため電源自体が大きくなります。
では「別表第十二」でPSEを取得すればいいのではと思いますが一つ問題があります。

 メーカーがPSE取得する際に、例えば「別表第八」のPSEを取得したスイッチング電源を購入し装置側も同じ「別表第八」でPSEを申請する場合、規格内でスイッチング電源を使っている限りは電源部の再評価は不要です。


反対に装置側がスイッチング電源と違う基準のPSEを取得する場合は電源に関する適合試験は簡略化されません。
例えば装置に別表第八のPSEを取得しようとしていて内蔵するスイッチング電源がPSEの別表第十二を取得している場合です。この場合は装置全体で別表第八の評価をする、つまり電源部は別表第八で再評価する必要があります。

詳細は経産省の「エル・イー・ディー・電灯器具用 直流電源装置の取扱いについて」に記載があります。

よく問題になるのがスイッチング電源が別表第八では不適合になることです。これはPSEの技術基準が(1)国内基準と(2)国際基準では違うためにおこることです。具体的にはスイッチング電源のトランスや回路基板の縁面・空間・絶縁距離です。この場合スイッチング電源自体を設計変更しなければならず現実的ではありません。装置をPSE申請する場合、まず取得しようとするPSEと同じ基準のPSEを取得しているスイッチング電源を探した方が賢明です。

 

 

【解説】スイッチング電源がPSEを取得していないのはどうして?
スイッチング電源のPSEについて知りたい人 「PSEは安全規格なのは知ってるけどそもそも何なのかよくわからない。 PSEを取得しているスイッチング電源はないのかな? どうしたらスイッチング電源がPSEを取れるの?」 こういった疑問に答えます。 この記事を書いてる...
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https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-pse/2-standards-of-pse/feed/ 0
スイッチング電源 24V出力(ピーク負荷)選び方&おすすめ機種を大公開! https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-12v-24v/recommended-24v-output-switching-power-supply/ Fri, 20 Mar 2020 10:45:26 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=2888 数ある24V出力のスイッチング電源の中でどの機種を選ぶべきなのか?
この記事では、新規装置設計、VAVE検討、電源の廃品などでスイッチング電源を検討している方へ、失敗しない選び方からワッテージ別のおすすめ機種まで詳しくご紹介します。

24V出力のスイッチング電源は毎年多くのメーカーから毎年新製品が発売され、特徴ある仕様で信頼性の高い電源が選べるようになりました。

とはいえ、機種が多すぎてどのスイッチング電源を選んだらいいいのか悩んでいる方が多いのも事実。そこでこの記事では、24V出力のスイッチング電源を購入する際に注視すべきポイントやおすすめメーカー別の電源の特徴を解説していきます。自身の要望に沿ったメーカーの電源をうまく選んでください。

24V出力のスイッチング電源は大きく分けて2タイプ

24V出力のスイッチング電源の選び方やワッテージ別のおすすめ機種をチェックしていく前に、まずは電源の基本的な種類について把握しておきましょう。

  • AC/DC電源
  • DC/DCコンバータ

入力電圧により大きく2種類があります。AC/DC電源は入力電圧がAC(交流)、DC/DCコンバータは入力電圧がDC(直流)です。

各工場や家庭に送られてくる商用の交流電源(AC)から、安定した直流電圧(DC)に変換する電源がAC/DC電源です。一方、バッテリーなどの直流電源(DC)から、別の安定した直流電圧(DC)に変換する電源がDC/DCコンバータです。

ここからは、それぞれの特徴について解説していきます。

AC/DC電源の特徴とは

スイッチング電源の中で最も需要の多い“AC/DC電源”は24V出力です。どのメーカーも24V出力は一番数量が出る電圧のため、豊富な機種から希望にあった仕様の電源を探しやすいのも24V出力電源です。

入力電圧は単相100/200Vと三相200Vが一般的です。
電流値は単相100/200V入力は0.2A(5W)〜100A(2400W)、三相200V入力は40A(960W)〜75A(1800W)まであります。

形状は単相100/200V入力型や基板型、DINレール型、オンボード型、パワーモジュールなど様々なタイプがあります。三相200V入力は一部DINレール型とユニット型のみです。

DC/DCコンバータの特徴とは

 DC/DCコンバーターの入力電圧と出力電圧が直流電圧(DC)の電源をいいます。
基板上に実装するタイで24V出力のDC/DCコンバーターは
パワーモジュールがあります。小型のオンボード電源とPOL(Point of Load)は15V出力までしかありません。

入力電圧はDC48V とDC110V、DC280Vが一般的でDC48Vは通信系、DC110Vは電力系、DC280VはFAロボットによく使われます。容量は50W〜500W程度まであります。

スイッチング電源を選定する際にチェックしておきたい4つのポイント

スイッチング電源の基本的な種類を確認したあとは、後悔しない電源の上手な選び方についてご紹介します。ニーズに適した機種を見極めるためにも、選び方をきちんとマスターして、電源の良し悪しは判断できるようにしましょう。そんな電源を選ぶ際に注目したいのが、

  1. 周囲温度と負荷率
  2. ピーク電流対応
  3. 電解コンデンサ寿命
  4. その他の機能

上の4点です。ここからは各ポイントについてもう少し掘り下げて解説しますのでするので選定する際の参考にしてみてください。

周囲温度から負荷率(電流)を確認する

電源を選定する際は、電流値は非常に重要なポイントです。「必要な電流は10Aなので10Aの電源を選ぶ」のではなく、最適な電源を選ぶなら装置・機器内の電源周囲温度に応じた電源を選ぶのが賢明です。電源の周囲温度によりその値は大きく変わります。

仕様書に「周囲温度に対する負荷率」の表がありますので必ず確認してください。
下表では電源の周囲温度が50℃で標準取付Aで使う場合、70%でしか使えません。つまり定格電流が10Aの電源だと7Aの電源になるということです。

さらに一般的に電源の定格電流の70%〜80%の負荷率で使うのがベストです。7Aの70%だと4.9Aで使うのがいいのです。つまり10Aの電源を4.9Aで使うことになります。

モーター負荷の場合はピーク電流対応の電源を選ぶ

24V出力はモーター負荷が多く、起動時にトルクが必要でピーク電流が流れます。そのピーク電流で電源を選ぶと大きな容量(W)の電源になってしまいます。
「ピーク電流対応」の電源は、起動時に1秒程度定格電流の1.2〜2倍のピーク電流を流すことができます。このタイプの電源は小さい電源を使うことが可能になりコストダウンを図れるのが大きなメリットです。

信頼性にこだわるなら電解コンデンサ寿命計算値に目を通す

負荷率に加え、スイッチング電源を選定するなら“電解コンデンサ寿命計算値”もしっかりと目を通しておきたいところ。その値が大きいほど長寿命になりより信頼性の高いスイッチング電源を選定できます。

メーカーにより時間(H)単位または年単位で表記されます。
電解コンデンサの寿命も周囲温度と負荷率により決まります。一般的には周囲温度は40℃、負荷率80%で使われることが多いので、ここではその条件で選定しています。
もちろん、周囲温度や負荷率は実使用条件で電コン寿命をみてください。

従来は電解コンデンサの寿命は4,5年が一般的でしたが、最近の電源は高効率になり10年以上の電コン寿命も珍しくありません。中には20年以上の機種もありますが、電解コンデンサには封向ゴムがあり実力寿命は15年です。そのため電コン寿命は最大15年くらいを目安にしてください。

機能にも目を向ける

せっかく新たに電源を選定するなら、基本機能だけでなくその他の機能性にも目を向けてみましょう。例えば、

  • 力率改善回路
  • 高調波電流抑制対応
  • 雑音端子電圧 クラスB

など、機種によって備わっている機能性は様々です。不要な場合もありますが「力率改善回路」を搭載しているか、「高調波電流規制対応」しているか、「雑音端子電圧クラスB」に準拠しているかは確認しておきましょう。

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スイッチング電源の症状別故障対応法 https://dengen-navi.com/wp/article/failure/failure-response-by-symptom/ Thu, 20 Feb 2020 04:45:34 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=2895 スイッチング電源は出力していても故障かな?と思うことがあります。

いつもと音が違う、臭い何する、熱い、気のせいかな?
よくある症状別にその原因と対応方法をまとめましたので参考ください。

異音

ファン

ファンの軸受部のグリースの劣化(硬化)が進むと潤滑材としての機能が失われます。それでファンが回転するのにより大きな力(トルク)が必要になりファンの回転音が大きくなります。

ファンから「カラカラ」と異音がする場合はファン交換をします。
40℃の周囲温度時のファンの寿命は4〜5年くらいです。ホコリが多い環境ではもっと早く寿命がきます。
*ファンメーカーの寿命の定義は定格回転速度の70%の回転速度になった時点です。ファンが停止した時点がファンの寿命ではありません。

トランス

トランスのコアが振動しますので「ブーン」や「キーン」などの音鳴りはしますが、普通は気にならない程度の大きさです。電源自体には問題はありません。
ただし、あまりにも大きい場合はメーカーへ返却します。

高調波電流抑制回路

高調波電流抑制回路付きの電源は入力投入時に「ブーン」と唸り音がすることがあります。内部電圧が安定するまでの一時的なもので故障ではありません。

 

異臭(白い煙があがる)

何らかの原因で電解コンデンサ内部の圧力が高まるとその圧を逃すため電解コンデンサの「防爆弁」が開きます。その際に「シュー」と音がして白い煙があがり異臭もしますので、はじめて見る人は発煙と勘違いします。

電源は故障していますので新品に交換します。
普通では起こらない現象なのでメーカーへ解析依頼します。

電解コンデンサに過電圧などがかかると内部の圧が高まることがあります。電解コンデンサが爆発する前に防爆弁が開いて内部の圧を下げます。防爆弁は電解コンデンサの頭に単にスリット(切り込み)が入っているだけでメーカーによりスリットの形状は異なります。防爆弁が開くと内部のガスが抜けますので煙が出たり異臭がするため「発煙」したと勘違いする人が多いです。防爆弁が開くことは正常に安全装置が働いた証拠です。

異常発熱

 

電源は放熱のため筐体(シャーシ、カバー)に熱を伝えますので熱くなります。
電源内部の温度が上がりすぎると過熱保護が働き出力停止するようになっています。

電源の温度を下げるには電源を容量の大きいものに変えたり(負荷率を下げる)、電源の置き場所や向きを変え筐体にスリットを開けるなど熱が抜ける構造にします。

 

発煙・発火

 

スイッチング電源に使われている部品は難燃性ですので発煙発火することはまずありません。
それに至るまでには保護機能があり、安全に停止するように設計されています。

ただ、保証対象外での使い方や使用環境やいくつかの悪条件が重なることもあります。

万が一、発煙・発火した場合はただちに入力を切って何も触らずそのままメーカーへ返却します。

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スイッチング電源の基本【中級編】仕様項目と規格について https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/dengen-no-kihon-cyukyu/ Sat, 08 Feb 2020 00:55:02 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=2005

電源の基本的なことはわかっている人

「仕様書の項目を詳しく知りたい。
自分で仕様書を読めるようになりたい。
規格関係も教えて欲しい。」

こういった要望に答えます。

スイッチング電源の基本【初級編】回路と理論抜きでわかりやすく解説があります。

仕様書の主な項目

仕様書で覚えていたらいい項目です。

効率と力率

力率は入力電力をどれくらい有効に使っているかを示します。
0.6とか0.98の数字で表記します。力率改善回路がないと0.6程度ですが力率改善回路があると0.95以上になります。
「0.6」は入力電力の60%が使われ残りの40%は使われず入力ラインに戻ります。「0.98」は98%が有効に使われ、2%が戻りますという意味です。

電力計には使われずに戻った電力(無効電力)を差し引いた電力量が表示されますので、無効電力が電気料金にカウントされることはありません。

では力率改善するメリットは何でしょうか?
それは入力電力を小さくすることで線材の太さや入力側の部品を小さいものにできます。それだけでなく入力電気設備や契約電力量にも影響しまので大幅なコストダウンになることもあります

 

力率と効率の式です。

力率=有効電力÷皮相電力
効率=出力電力÷有効電力

有効電力は負荷装置で消費される電力(W)です。
皮相電力は電源の入力電圧(V)×入力電流(A)で表されます。有効電力と無効電力の合計です。
単位がVAなのは消費電力ではないからです。

では、実際に100W24V出力の電源の仕様書から出力電力を計算してみます。
この計算できる人はあまりいません。

  • 入力電圧 AC200V
  • 入力電流 0.65A
  • 力率   0.93
  • 効率   89%

皮相電力は200V×0.65A=130VAです。単位がVAなのは消費電力ではないからです。
皮相電力130VAの力率0.93が有効電力なので130VA×0.93=121VA(W)となります。
有効電力121Wが効率89%で出力電力になりますので121W×0.89=108Wとなります。

仕様書の出力電力を見ると108Wで合っていました。

なお、損失電力=有効電力−出力電力=121W−108W=13Wです。

 

突入電流(A)

入力サージ電流とも言います。
入力投入時、入力の平滑用コンデンサに流れ込む最大瞬時電流です。AC200V入力はAC100V入力の倍になります。

以下の表はおおよその目安です。電源容量や出力電流にはあまり関係ありません。

AC100V AC200V
150Wまで 15A 30A
300W以上 20A 40A

 

また突入電流はスイッチやヒューズ、ブレーカーを選定する際に必要な値でユーザーからよく聞かれます。突入電流が流れる時間は5ms以下です。
ブレーカーなどのデータ中に「電流値と時間」の表がありますので、時間が5ms時の電流値を確認してください。電源の入力サージ電流より大きい電流値が流せる部品を選定してください。
これは大まかな考え方ですので、実際の選定は各メーカーに問い合わせてください。

また電源を複数台使用した時の入力サージ電流はそれぞれの電源の突入電流の合計になり大きな値になります。

漏洩電流(mA)

漏れ電流、リーク電流とも言います。
入力線から筐体を通して大地へ流れる電流値です。

大地へ流すことで雑音端子電圧を減衰させるメリットもあります。
そのため低リーク電流の電源は雑音端子電圧は下がりません。

漏洩電流は感電の安全面から各国の安全規定により規定されています。
特に人体に接触する医療機器は漏洩電流の基準は厳しいです。

医療機器全体で漏洩電流が規制されますので、電源の漏洩電流と他の部品の漏洩電流の合計値になります。
また電源を複数台使用した時の漏洩電流はそれぞれの電源の漏れ電流の合計になります。

保持時間(ms)

電源の入力遮断後、出力電圧が低下し始めるまでの時間です。

保持時間は20msが一般的です。負荷率100%時の保持時間です。
負荷率が下がるほど保持時間は伸びます。
保持時間を伸ばすには大きめの電源を使うこともあります。

ユーザーは停電や瞬時停電の際に、この保持時間を利用してデータのバックアップをします。

過電流保護(OCP)

出力電流が規定値以上に流れないように出力電流を制限し出力電圧を低下させる電源を保護する機能。

過電流保護が動作すると出力電圧が下がりますが、その下がり方は3通りあります。

・垂下方式
・フの字方式
・への字方式

垂下方式は過電流保護が動作した電流値がそのままで電圧だけがまっすぐ下に下がります

フの字方式は過電流保護が動作すると電流値も電圧値も両方下がります。自動復帰しにくい

ハの字方式は電圧が下がりますが電流値は反対に無制限に流れてしまいます。
ローコスト品に多い方式で発煙発火の可能性があります。電源がどの方式か確認した方がいいです。

過電圧保護(OVP)

出力電圧が定格電圧以上に上昇した場合に出力を停止する機能です。過電流保護が電源自身の保護に対し過電流保護は負荷を破壊しないことを目的にしています。

過電圧保護は定格電圧の105%以上で動作します。動作すると出力停止します。
電圧はすぐに(真下に)下がるのでなく徐々に電圧は下がります。

また、過電流保護のように自動復帰しませんので、出力するには入力電圧をOFFしてから再度入力します。

リモトートセンシング

電源の出力端子から負荷までの間の電圧ドロップ分を補正する機能です。
端子台やコネクタに+S、−Sの箇所がリモートセンシングです。

例えば電源の出力端子では5Vが出力されているのに対し負荷側では4.9Vだったとします。
この例では0.1Vが電圧ドロップしていることになります。

リモートセンシング機能を使うと電源は0.1Vをプラスした5.1Vを出力するということです。
+S端子を負荷の+と−S端子を負荷の−と接続します。

リモート(ON/OFF)コントロール

略してリモコンとも言います。

入力したままコントロール信号により電源出力をON/OFFする機能です。

コントロール信号の方法はモデルにより方法が違います。
例えばある端子間に5Vの電圧をかけるとONになり、1V以下の電圧をかけるとOFFになります。

この機能を使うと突入電流は発生しません。

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スイッチング電源の基本【初級編】回路と理論抜きでわかりやすく解説 https://dengen-navi.com/wp/article/switching-dengen-towa/dengen-no-kihon/ Sun, 02 Feb 2020 11:26:48 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=1751 スイッチング電源について知りたい
「スイッチング電源を仕事で扱っているけど本当は何なのか知らない。
今さら人に聞けないので困っています。
ググっても回路図とか理論とか難しい話が出てくるのでイヤになってしまう。
でも、とりあえずスイッチング電源の基本を理解したい。」

こういった悩みに答えます。

 

実は私たちの生活はスイッチング電源で成り立っています。
直接目に触れることはできませんが、自販機、駅の券売機やホームドア、街のLED看板、病院の診察受付機やCT・MRI、スーパーのショーケースやセルフレジ、携帯電話の基地局、スマホの電子部品を作っている装置(半導体製造装置)、発電所や工場の制御盤、工場のロボットなどに使われているのです。

ということで、今回は回路方式や技術理論はなしにスイッチング電源の基本(初級編)を説明します。

スイッチング電源とドロッパー電源

 

電源が必要な理由

なぜ「電源」が必要なのかと聞かれると、なかなか答えにくいものです。

その前になぜ電気が必要なのか?を説明します。
それは電気が移動しやすく使いやすいからです。

石油は資源ですが石油をそのまま移動するのは大変ですし、使うのはもっと大変です。
それで火力発電所で石油を電気に変えているのです。
つまり電気は石油が形を変えたエネルギーということになります。

その後、発電所でつくった電気を工場や各家庭に送電します。発電所でつくった電気は30〜50万Vの超高電圧で送電線に送られ、途中何カ所の変電所で電圧を落としながら最終的には電柱の上にある柱上変圧器(トランス)でAC100Vまたは200Vに変圧され各家庭へと送られます。ACなのは送電に都合がいいからです。

電源が必要な理由は
電子機器に搭載される電子部品はDC(直流)で動作するためAC100V/200VからDCの低電圧へ変換する必要があるからです。その変圧するための機器が「電源」です。

ドロッパー電源とNASAが開発したスイッチング電源

さて、時代を遡ってアメリカがソ連と月面着陸を競っていた頃〜
アポロに電源を乗せるにはドロッパー電源では大きく重すぎるので小型軽量の電源が必要でした。ドロッパー電源(リニア電源)はトランスと三端子レギュレーターでDC(直流)へ変換する重くて大きい電源です。回路は簡単ですがスイッチング電源と比べると重さも形状も5倍〜10倍大きくなります。

NASAはトランジスタなどの半導体を高速スイッチング(ON/OFF)することで出力電圧を変換する電源を開発しました。大雑把に豆電球で説明すると、ONする時間を半分にすると豆電球の明るさは半分になり、ONする時間を1/4にすると明るさは1/4になります。そのONする時間を半導体で調整して明るさ(電圧)を調整するのです。

 

 

スイッチング方式は回路がドロッパー方式に比べて複雑で部品点数が多いことやコスト高であること、ノイズが大きいことなどのデメリットもあります。ノイズとはスイッチングノイズのことで電子部品や機器の信頼性低下の原因となります。スイッチング電源のノイズはおおよそドロッパー電源の10倍も発生しますので、ノイズフィルターを電源の前段に入れてノイズを低減させます。

特に医療用電子機器や計測機は今でもドロッパー方式の電源が一部で使用されていますが、ノイズフィルターの性能があがっていることもあり、今ではスイッチング電源とノイズフィルターの組み合わせで使用されることがほとんどです。

スイッチング電源の種類

スイッチング電源はいろんな分類がありますが・・・・

以下の3つの分類が主なものです。

定電圧電源と定電流電源
・入力電圧による分類
・形状による分類 

 

定電圧電源と定電流電源

出力電圧を一定にする「定電圧電源」と出力電流を一定にする「定電流電源」に分かれます。

スイッチング電源だからといって必ず定電圧電源というわけではありません。LEDやバッテリーなどは定電流を要求されますし、最近はますますその需要が増えています。

入力電圧による分類

入力がAC(交流)入力とDC(直流)入力に大きく分かれます。

それぞれAC/DCコンバータ、DC/DCコンバータといいます。

ACの入力電圧はAC100V、AC200V、工場の三相200Vです。他は大型プレス機や粉砕機など大電力用の三相AC400Vがあります。

参考までに世界の入力電圧です。

国名 家庭(単相) 工場(三相)
日本 AC100V AC200V
アメリカ AC115V AC230V
UK AC230V AC400V
ドイツ AC230V AC400V
中国 AC220V AC380V
タイ AC230V AC400V
インド AC220V AC380V
オーストリア AC240V AC415V

 

DC入力の電圧は3.3V、5V、12V、15V、24V、48Vです。
バッテリー入力の場合、その電圧が大きく振れるため従来の入力電圧範囲では対応できないこともあり最近は18〜76Vなどのワイド入力タイプも発売されています。

 

形状による分類

スイッチング電源の形状によりいくつかのタイプに分けることができます。

主なものは3タイプです。

ユニット型
・基板型
・オンボード 

 

ユニット型はシャーシ(L板金)付きの電源で、カバーも付けられる箱型タイプです。

基板型は基板のみのAC/DCコンバータです。オプションでシャーシやカバーもつけることができます。

オンボードは基板上に半田付けして取り付ける電源です。DC/DCコンバータが主です。

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スイッチング電源の故障時のチェックポイント https://dengen-navi.com/wp/article/failure/failure-checkpoint/ Wed, 12 Feb 2020 12:17:02 +0000 https://dengen-navi.com/wp/?p=2696  

スイッチング電源が出力しない! どうしたらいいかわからない人

「今まで問題なく動いていたが急に電源がダウンした。
電源が半年ほどで止まってしまった。
新しく電源を入れ替えたのに出力しない。
電源のどこを確認したらいいか教えて欲しい」など

 

こういった疑問に答えます。

 

「新品の電源」が出力しないのか、今まで動いていた電源が「突然故障した」のか

輸送中に電源を落としたり雨に濡らしたりと可能性としてはありますが・・・・
新品の電源が出力しないことはまずありえません。
使い方が間違っていることがほとんどです。

一方、今まで使っていた電源が出力しなくなった場合はその電源を何年使っていたかが重要です。
これも電源の稼働中に”急に”止まることはほとんどなく、朝電源を入れても出力しないとか昼休憩後に動かそうとしても出力しないことが多いです。

周囲温度にもよりますが4、5年以上経過していれば電解コンデンサの寿命の可能性大です。
使ってからまだ2年以下の場合は電コン寿命としては短いので、極端に電源の周囲温度が高いことや他の要因も考えられます。

 

以下に症状別に確認することをまとめました。

 

出力しない場合

どうしても出力しない場合、同じ出力電圧(容量はそれ以上)の電源に交換してみてください。
出力するのであれば電源に原因がありますし、出力しなければ入力側に問題があります。

入力電圧が間違っている

間違ってAC100V入力専用の電源にAC200Vを入力することがあります。この場合は入力回路の部品が破壊されているのでAC100Vを入力しても出力しません。出力したとしても部品がダメージを受けていますので必ず修理に出してください。AC100V専用機は基板型が多く、修理するより新品で買った方がいいかもしれません。

反対にAC200V専用機にAC100Vを入力しても出力しないだけで問題はありません。また最近は少なくなりましたが、AC100VとAC200Vの入力切替えをコネクタなど手動で行うタイプの電源もあります。

最近はワイド入力で連続入力(AC85〜265V)がほとんどですが、以前はワイド入力と言ってもAC85〜132V  AC185〜265Vのように非連続入力が一般的でした。非連続入力は間の電圧を入力しても出力しません。

正しい入力電圧範囲で入力すればOKです。

あとは電源の出力端子(+V、−V)に正しく負荷線が接続されているかを確認します。緩んでいたり間違って違う端子に接続しているかもしれません。

過電圧保護機能が動作している

症状は出力表示LEDが一瞬点灯したあとすぐに消灯します。

よくあるのは電源が出力停止した時に出力電圧可変ボリュームを回し過電圧保護の動作電圧以上に出力電圧をしてしまうことです。例えば24V出力の電源の過電圧保護の動作ポイントが27Vとした時に、出力電圧を28Vにしてしまった場合です。電源が出力したと同時に過電圧保護が動作し、出力停止します。

電源復帰は入力を一旦OFF(リセット)にした後、入力を再投入すればいいのですが・・・・
このまま入力するとまた過電圧保護にかかりますので、入力する前に出力電圧可変ボリュームを反時計方向へ回して出力電圧を下げてから入力してください。
反対にあまり出力電圧ボリュームを戻しすぎると出力電圧が低くなりLEDは点灯しません。

過電圧保護のボリュームをさわっているかも?
電源によっては過電圧保護の動作する電圧を可変できるものがあり、過電圧保護機能が動作する電圧まで下げていることがあります。
その場合は過電圧保護のボリュームを時計回りにいっぱいまで回しフリーにしておきます。
それから出力電圧可変ボリュームで出力電圧を調整します。
そのあと過電圧保護の動作する電圧まで下げていきます。

それでもうまくいかない場合は・・・
メーカーに返却して調整してもらいましょう。日数はたいしてかかりません。

リモートセンシングがオープンになっている

 

症状は出力表示LEDが一瞬点灯しすぐに消灯します。

リモートセンシング端子のショートピースを外したり緩んだりする(オープン状態)と出力電圧が上がり過電圧保護が動作し出力停止します。

リモートセンシングの説明をします。

リモートセンシング機能は電源出力端子から負荷までの電圧ドロップを補正する機能です。
出荷時は+S端子と+端子、−S端子と−端子をショートピースで接続しています(上の写真)。
この機能を使う場合はショートピースを外し、+S端子と負荷側の+端子、−S端子と負荷側の−端子を接続します。そうすることで負荷端子側の電圧がフィードバックされます。
このセンシング端子を外すと負荷端子がOVの信号が電源にフィードバックされ、電源からは電圧が上がり続け過電圧保護が動作し出力停止します。

ショートピースのチェックとセンシング機能を使っている場合は+S、−Sが負荷装置の+、−としっかり接続されているかを確認します。

*電源によりリモートセンシング機能がないものがあり+Sと−S端子はありません。

 

過電流保護機能が動作している

症状は電圧表示LEDが点灯や消灯したり(出力電圧がふらつく)します。

原因は電源容量(W)に対し負荷が大きすぎることや負荷がショート(短絡)したことです。
電源には過電流保護があり定格電流以上の電流が流れると出力電圧が下がります。
過電流状態が解消されると電圧は自動的に定格電圧に戻ります。ただし、300W以上の電源は30秒程度過電流保護が働くとシャットダウンしますので、一旦入力OFFしてしばらくしてから再投入します。

電源容量が負荷装置を動作するのに十分な容量(電流値)かどうかを確認します。
気をつけないといけないのはモーター負荷の場合です。モーター起動時に定格電流の数倍のピーク電流が流れるので、電源の過電流保護により出力電圧が低下します。モータに加える電圧が下がるのでトルクが出ずモーターが動作しません。
車で言えば5速で発進するようなものです。モーターの安定時の電流値ではなく起動時のピーク電流値で電源を選定します。

 

リモートコントロールがショートになっている

リモートコントロール機能がある電源+Rと−R間を短絡したり0.5V以下の電圧をかけ続けると出力がOFFのままになります。

リモートコントロール機能は入力したままコントロール信号により出力をON/OFFする機能です。基板上のコネクタ(+R,-RまたはRC,RCGなど)に、外部から電圧をかけで制御します。別にもう一台別の電源が必要になります。
かける電圧はモデルにより違いますが、例えば4.5V以上をかけると出力がONに、0.5V以下をかけると出力がOFFになります。

*リモートコントロール機能がない電源は関係ありません。

電解コンデンサの寿命

電解コンデンサの寿命だけでは電源は出力停止しません。
出荷時の静電容量が20%減少した時点を電解コンデンサの寿命と定義していますが、多少リップル電圧が増える程度で電源の出力停止になるわけではありません。
その後も電源を使い続けると周辺部品が故障し(二次故障)最終的に出力停止します。
電解コンデンサの寿命なのかどうかは電解コンデンサの容量とtanδを測定する必要があります。

ただ、電解コンデンサの寿命なのかどうかの目安をつけることはできます。
電源メーカーのHPに「電解コンデンサの期待寿命データ」があれば実際の電源の周囲温度、負荷率を当てはめてみてください。出力停止した期間が当てはめた寿命年数よりも明らかに短い場合は実際の周囲温度が思ったより高いこともあります。
電源の周囲温度は室温や制御盤、装置の周囲温度ではなく電源の周囲温度です。

一般的に電源を使用して2年以内であれば使用条件が厳しい、周囲温度が高いことが多いです。
1年以内の故障は電源を密閉状態で使ったり基板を上にして使うと短寿命になります。

 

ファンの寿命

ファンの寿命はファンの送風能力(回転数)が一定以下70%になった時をいいます。
ファンの寿命がきたからといってすぐに電源が停止するわけではなく、多少電源内部の温度が上昇する程度です。
ただそのまま使い続けているとファンの回転数が落ち源内部に熱がこもり、電解コンデンサの電解液が抜け寿命になります。機種によりますが、ファンの回転数が減ってくるとアラームが出たり、電源内部の過熱保護により出力停止したりします。

ファンは電解コンデンサのように計算式があるわけでなく、機械的要素があるため残存率90%になる時点をファンの寿命として表で示されます。一般的にファンの実力寿命は4〜5年ですが、周囲にホコリが多い場所だとグリースの劣化が早くなり寿命は短くなります。

*ファンがない電源は関係ありません。

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