絶縁抵抗とは
絶縁抵抗とは電気の流れを妨げる電流の流れにくさを表したものです。つまり絶縁抵抗値が大きいほど電気は流れにくくなります。電源には電気を流れやすくする部分と電気を流れないようにする部分があります。電気を流したい箇所には抵抗率の低い導体(銅・鉄・アルミなど)を使用し、電気を流れないようにする箇所には抵抗率の高い導体(ゴムなど)を使用します。
参考に銅の抵抗率は1.68×10-8Ω×mに対し、ゴムの抵抗率は1013Ω×mです。
人体にも2000Ω~4000Ωの抵抗値があります。これだけ幅があるのは体格や肌の状態、乾燥しているか湿っている、そして人体の測る場所により変わります。
絶縁体の不良や設計上の不具合などで本来流れるはずのない箇所に電気が流れて人が感電しないように出荷試験時に電源の出力-FG間に500VDCの電圧をかけ絶縁抵抗値を測定し100MΩ以上あることを確認します。絶縁抵抗値が低い場合、電線の劣化や損傷等により、漏電の危険性が高いことが分かります。一般電気機器は500Vの測定電圧を印加して絶縁を測定するのが基本です。
絶縁の種類を以下に示します。
- 機能絶縁:機器が正しく動作する上で、必要な最低限の絶縁です。感電に対する保護は行っていません。電源では1次側回路で、整流後の回路に適用されます。
- 基礎絶縁:感電に対する基礎的な保護をする絶縁です。沿面/空間などの絶縁距離の要求があります。電源では、1次-FG間、ELVを越える2次-FG間に適用されます。
- 付加絶縁:基礎絶縁が破壊した場合に感電に対する保護をするため、基礎絶縁に追加して施した独立の絶縁です。
- 二重絶縁:基礎絶縁と付加絶縁の両方からなる絶縁です。
- 強化絶縁:二重絶縁と同等に感電に対する保護を行なうことができる単一の絶縁です。電源装置では1次-2次間のトランス、フォトカプラなどです。