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スイッチング電源の故障時のチェックポイント

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スイッチング電源が出力しない! どうしたらいいかわからない人

「今まで問題なく動いていたが急に電源がダウンした。
電源が半年ほどで止まってしまった。
新しく電源を入れ替えたのに出力しない。
電源のどこを確認したらいいか教えて欲しい」など

 

こういった疑問に答えます。

 

「新品の電源」が出力しないのか、今まで動いていた電源が「突然故障した」のか

輸送中に電源を落としたり雨に濡らしたりと可能性としてはありますが・・・・
新品の電源が出力しないことはまずありえません。
使い方が間違っていることがほとんどです。

一方、今まで使っていた電源が出力しなくなった場合はその電源を何年使っていたかが重要です。
これも電源の稼働中に”急に”止まることはほとんどなく、朝電源を入れても出力しないとか昼休憩後に動かそうとしても出力しないことが多いです。

周囲温度にもよりますが4、5年以上経過していれば電解コンデンサの寿命の可能性大です。
使ってからまだ2年以下の場合は電コン寿命としては短いので、極端に電源の周囲温度が高いことや他の要因も考えられます。

 

以下に症状別に確認することをまとめました。

 

出力しない場合

どうしても出力しない場合、同じ出力電圧(容量はそれ以上)の電源に交換してみてください。
出力するのであれば電源に原因がありますし、出力しなければ入力側に問題があります。

入力電圧が間違っている

AC100V入力専用の電源にAC200Vを入力していることがあります。この場合は入力回路の部品が破壊されているのでAC100Vを入力しても出力しません。出力したとしても部品がダメージを受けていますので必ず修理に出してください。AC100V専用機は基板型が多く、修理するより新品で買った方がいいかもしれません。

反対にAC200V専用機にAC100Vを入力しても出力しないだけで問題はありません。また最近は少なくなりましたが、AC100VとAC200Vの入力切替えをコネクタなど手動で行うタイプの電源があります。

最近はワイド入力で連続入力(AC85〜265V)がほとんどですが、以前はワイド入力と言ってもAC85〜132V  AC185〜265Vのように非連続入力が一般的でした。非連続入力は間の電圧を入力しても出力しません。

正しい入力電圧範囲で入力すればOKです。

あとは電源の出力端子(+V、−V)に正しく負荷線が接続されているかを確認します。緩んでいたり間違って違う端子に接続しているかもしれません。

過電圧保護機能が動作している

症状は出力表示LEDが一瞬点灯したあとすぐに消灯します。

よくあるのが電源が出力停止した時に出力電圧可変ボリュームをさわって過電圧保護の動作ポイント以上にしてしまったことです。例えば24V出力の電源の過電圧保護の動作ポイントが27Vとした時に、出力電圧を28Vにしてしまった場合です。電源が出力したと同時に過電圧保護が動作し、出力停止します。

復帰は入力を一旦OFFにした後、入力を再投入すればいいのですが・・・・
このまま入力するとまた過電圧保護にかかりますので、入力する前に出力電圧可変ボリュームを反時計方向へ回して出力電圧を下げてから入力してください。
あまり出力電圧ボリュームを戻しすぎると出力電圧が低くなりLEDは点灯しません。

過電圧保護のボリュームをさわっているかも?
電源によっては過電圧保護の動作する電圧を可変できるものがあり、保護機能が動作する電圧を下げすぎていることもあります。
その場合は過電圧保護のボリュームを時計回りにいっぱいまで回しフリーにしておきます。
それから出力電圧可変ボリュームで出力電圧を調整します。
そのあと過電圧保護の動作する電圧を下げていきます。

それでもうまくいかない場合は・・・
メーカーに返却して調整してもらいましょう。日数はたいしてかかりません。

リモートセンシングがオープンになっている

 

症状は出力表示LEDが一瞬点灯しすぐに消灯します。

リモートセンシング端子のショートピースを外したり緩んだりする(オープン状態)と出力電圧が上がり過電圧保護が動作し出力停止します。

リモートセンシングの説明をします。

リモートセンシング機能は電源出力端子から負荷までの電圧ドロップを補正する機能です。
出荷時は+S端子と+端子、−S端子と−端子をショートピースで接続しています(上の写真)。
この機能を使う場合はショートピースを外し、+S端子と負荷側の+端子、−S端子と負荷側の−端子を接続します。そうすることで負荷端子側の電圧がフィードバックされます。
このセンシング端子を外すと負荷端子がOVの信号が電源にフィードバックされ、電源からは電圧が上がり続け過電圧保護が動作し出力停止します。

ショートピースのチェックとセンシング機能を使っている場合は+S、−Sが負荷装置の+、−としっかり接続されているかを確認します。

*電源によりリモートセンシング機能がないものがあり+Sと−S端子はありません。

 

過電流保護機能が動作している

症状は電圧表示LEDが点灯や消灯したり(出力電圧がふらつく)します。

原因は電源容量(W)に対し負荷が大きすぎることや負荷がショート(短絡)したことです。
電源には過電流保護があり定格電流以上の電流が流れると出力電圧が下がります。
過電流状態が解消されると電圧は自動的に定格電圧に戻ります。ただし、300W以上の電源は30秒程度過電流保護が働くとシャットダウンしますので、一旦入力OFFしてしばらくしてから再投入します。

電源容量が負荷装置を動作するのに十分な容量(電流値)かどうかを確認します。
気をつけないといけないのはモーター負荷の場合です。モーター起動時に定格電流の数倍のピーク電流が流れるので、電源の過電流保護により出力電圧が低下します。モータに加える電圧が下がるのでトルクが出ずモーターが動作しません。
車で言えば5速で発進するようなものです。モーターの安定時の電流値ではなく起動時のピーク電流値で電源を選定します。

 

リモートコントロールがショートになっている

リモートコントロール機能がある電源+Rと−R間を短絡したり0.5V以下の電圧をかけ続けると出力がOFFのままになります。

リモートコントロール機能は入力したままコントロール信号により出力をON/OFFする機能です。基板上のコネクタ(+R,-RまたはRC,RCGなど)に、外部から電圧をかけで制御します。別にもう一台別の電源が必要になります。
かける電圧はモデルにより違いますが、例えば4.5V以上をかけると出力がONに、0.5V以下をかけると出力がOFFになります。

*リモートコントロール機能がない電源は関係ありません。

電解コンデンサの寿命

電解コンデンサの寿命だけでは電源は出力停止しません。
出荷時の静電容量が20%減少した時点を電解コンデンサの寿命と定義していますが、多少リップル電圧が増える程度で電源の出力停止になるわけではありません。
このあと電源を使い続けると周辺部品が故障し(二次故障)最終的に出力停止します。
電解コンデンサの寿命なのかどうかは電解コンデンサの容量とtanδを測定測定する必要があります。

ただ、電解コンデンサの寿命なのかどうかの目安をつけることはできます。
電源メーカーのHPに「電解コンデンサの期待寿命データ」があれば実際の電源の周囲温度、負荷率を当てはめてみてください。出力停止した期間が当てはめた寿命年数よりも明らかに短い場合は実際の周囲温度が思ったより高いこともあります。
電源の周囲温度は室温や制御盤、装置の周囲温度ではなく電源の周囲温度です。

一般的に電源を使用して2年以内であれば使用条件が厳しい、周囲温度が高いことが多いです。
1年以内の故障は電源を密閉状態で使ったり基板を上にして使うと短寿命になります。

 

ファンの寿命

ファンの寿命はファンの送風能力(回転数)が一定以下70%になった時をいいます。
ファンの寿命がきたからといってすぐに電源が停止するわけではなく、多少電源内部の温度が上昇する程度です。
ただそのまま使い続けているとファンの回転数が落ち源内部に熱がこもり、電解コンデンサの電解液が抜け寿命になります。機種によりますが、ファンの回転数が減ってくるとアラームが出たり、電源内部の過熱保護により出力停止したりします。

ファンは電解コンデンサのように計算式があるわけでなく、機械的要素があるため残存率90%になる時点をファンの寿命として表で示されます。一般的にファンの実力寿命は4〜5年ですが、周囲にホコリが多い場所だとグリースの劣化が早くなり寿命は短くなります。

*ファンがない電源は関係ありません。

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