営業が強いのはいいことか?

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メーカー営業の強い会社に潜む危険性

「あの会社は営業が強いね!」や「営業で会社がもってるね!」などよく聞きます。商社など営業をメインとしている会社なら、当然営業が強くあるべきですが、メーカーとなるとどうでしょうか?
もちろんメーカーにも製品を開発・製造するだけでなく、製品を販売する営業部はあります。商社だといろんなメーカーの製品を幅広く扱いますが、メーカーの営業は自社製品の販売のみです。商社の営業はあるメーカーの製品が売れなくなると、他の製品を販売すればいいのですが、メーカーはそういうわけにもいきません。

メーカーの場合、開発技術力が弱いと競合に負けますが、営業が頑張るとある程度売れてしまうことがあります。スイッチング電源のような電子部品業界では製品の性能や価格だけでなく、購入実績やメーカーとの関係、販売店のパイプの太さやアフターサービスなど総合的に判断されます。ユーザー側にとってみれば継続的・長期的な購入になるため、納期、不具合対応、営業マンとの相性なども重要な判断基準になってきます。

製品性能や価格・納期で競合より劣っているにも関わらず、営業力・政治力で売っているとその会社は「営業が強い」ということになります。営業マンは自分の営業力に自信を持ち、ますます頑張って販売するようになります。営業マンが頑張って仕事をすること自体は決して悪いことではありませんが、長い目で見るとその営業の「頑張り」が会社にとって逆効果になることがあります。

極端に言うと営業がいなくても「言い値」で売れる製品がいいにきまってます。営業が寝ていても売れる製品がいいのです。反対に開発技術力がない会社の営業は競合製品より性能や価格競争力が弱いので、営業は過度な値下げをしたり昭和の「営業マン」のごとく何回も客先に訪問してやっと受注するのです。現在では新型コロナ対策で営業マンが無駄に客先に訪問することはなくなりましたが、電話やメール、リモート会議に置き換わっています。

 

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営業経費削減

粗利率は競合と同程度なのになぜか営業利益率になると競合他社の半分以下になる会社があります。それは販管費がかかりすぎているのですが、人と時間をかけないと売れない製品を開発しているメーカーの「開発技術力」に原因があることが多いのです。

その原因に気づいていない会社は営業人員や営業経費の削減を行います。営業経費削減の効果はすぐにでますので「やはり営業が販売費をかけすぎていました。出張と交際費は事前申請、残業は基本NGにしにしてこうなりました。」という付け焼刃的な話で終わりです。確かに目先の利益率は改善しますが、同時に将来の売上と利益率も下がることを理解していません。

スイッチング電源のような産業向け製品は営業活動の結果が「売上」に反映するまでに半年から1年以上、場合によっては数年先になります。現在の営業マンの売上は数年前の営業マンがスペックインした「おかげ」で成り立っています。つまり、売上の大部分は営業マン自身がスペックインしたものを売り上げたものでなく、数年前の営業マンが苦労してスペックインしたものが現在まで売れ続けているにすぎないのです。営業マンの評価は売上実績をベースにするのですが、数年前の営業マンの「頑張り」が現在の営業マンの売上げとなっていますので、運不運の影響が大きい業界でもあります。

当然メーカーは開発が命です。ただ単に製品を開発するだけでなく世の中の役に立つ製品を開発していれば、営業は「普通」に製品を販売することができます。開発技術力が競合より劣る為に性能が低く価格が高い製品を営業力で売り続けているとどうでしょうか?本来なら開発技術力のなさに気づいて対策するところ、その気づきが遅れ気づいたころには取り返しがつかないほど競合と大きな差がついてしまっていることはよくあります。

 

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