EN61000-3-2は欧州の高調波電流規制です。
電子機器が発生する高調波電流を規制しようとするもので、電子機器をクラスA~クラスDに分類し、各々に対し高調波電流の限度値を決めています。
スイッチング電源はクラスAに属しで、LED照明機器はクラスC(75W以上)です。
クラスA:平衡3相機器および他のクラスに属さないすべての機器
クラスB:手持ち形電動工具
クラスC:照明機器
クラスD:特殊な電流波形の600W以下の機器
クラスB:手持ち形電動工具
クラスC:照明機器
クラスD:特殊な電流波形の600W以下の機器
高調波とは「ひずみ波交流の中に含まれている、基本波の整数倍の周波数をもつ正弦波」と定義されています。基本波の3倍の周波数を第3高調波、5倍の周波数を第5高調波と言い、この二つを重点的に確認し、抑制することが高調波対策として有効です。
高調波電流が多い機器は、力率が低く実際に消費される電力より「皮相電力」が大きいため入力電流が多く流れます。したがって電力設備はそれ相当の容量が必要になります。
高調波電流が流れるとその電線のインピーダンス(抵抗値)により電圧降下し電源の電圧波形が高調波を含んだ歪んだ波形になります。
商用電源に接続して使用される機器は商用周波数でも使用を前提に作られているので、高調波が重曹された電圧波形が印加されるとビルの電力ヒューズの加熱溶断、通信機器の雑音・映像の乱れ、コンデンサやリアクトルの振動・うなり・異常過熱などの影響が出ます。