スイッチング電源はメーカーの製造後すぐユーザー側で使われることもありますが、商社や販売店の倉庫に長い間眠ったままになっていることがあります。特に異電圧やオプションモデルに多いです。
アルミ電解コンデンサ
スイッチング電源の寿命部品はファンや電解コンデンサ、ヒューズ、リレーなどですが、長期間の保管で問題になるのはアルミ電解コンデンサです。スイッチング電源メーカーは電解コンデンサを入庫後半年までを使用期限としていることが多く半年を過ぎたアルミ電解コンデンサは破棄すると規定しています。また製品完成後も1年以上経過した電源はアルミ電解コンデンサを「活性化」させたあと出荷検査を実施します。
「活性化」とは電源に電圧を加えることで電解コンデンサの性能を元に戻してやることです。電源にいきなりAC100Vを加えるのではなくスライダックで徐々に電圧を上げていきAC!00Vにして約30分エージングします。いきなりAC100Vや200Vをかけると電解コンデンサの防爆弁が開くことがあります。
電解コンデンサ入庫後半年+製品完成後メーカー倉庫で1年=最長1年半の電解コンデンサが電源に搭載されることがあります。さらに商社や販売店の倉庫で在庫となる期間を半年として計算すると2年前に製造された電解コンデンサが搭載されていることがあります。
ニチコンやニッケミの見解は「アルミ電解コンデンサを5~35℃の室温で保管されていれば2年以内は再活性化の必要はない」としています。上の例であればぎりぎり再活性化しなくていいようです。
では、販売店で1年以上在庫になっていた場合はどうでしょうか?最長2年半前に製造された電解コンデンサが電源に搭載されていることになります。この場合はメーカーで再活性化する必要があります。スイッチング電源メーカーは販売店に1年以上経過した電源はメーカーで再活性化すると通知しています。
活性化とは電源に電圧を加えることで電解コンデンサの性能を元に戻してやることです。いきなりAC100Vを加えるのではなくスライダックで徐々に電圧を上げていきAC!00Vにして約30分エージングします。いきなりAC100Vや200Vをかけると電解コンデンサの防爆弁が開くことがあります。
電解コンデンサの防爆弁は電解コンデンサの頭の切込みのある部分をいいます。目的は電解コンデンサの爆発を防ぐためです。電解コンデンサの内圧が上昇し、この内圧を電解コンデンサが絶えられなくなると、本体自体が破裂するより先に切込みがある防爆弁が開きガスが抜け電解コンデンサが破裂しないようにしています。この時の「シュー」という音と異様なガスの臭いで驚く人も多いですが、防爆弁がしっかり役目を果たしたともいえます。