ディファレンシャルモードノイズとコモンモードノイズは説明されてもなかなか理解するのは難しいものです。さらにノーマルモードノイズとかいう言い方もあり、混乱します。
まずノイズですが
ノイズは自然界から発生するノイズ(静電気、太陽の電磁気ノイズなど)と人工的なノイズは蛍光灯をつけた時のグロー放電、ラジオのノイズ、高電圧の送電線、携帯電話などから発生するノイズなどです。
ここからはスイッチング電源から発生するノイズで説明します。
伝導ノイズと放射ノイズ
装置にはスイッチング電源と電源に並列されている機器、そして電源に負荷で構成されているとします。この例ではノイズが伝わる経路はケーブルや基板パターンから伝わる緑の点線の「伝導ノイズ」とと空中から伝わる赤の点線の「放射ノイズ」があります。
伝導ノイズは上のマンガ絵のように電源の入力側へしか伝わりません。出力側はトランスで絶縁されているため伝わりません。
また、伝導ノイズと放射ノイズはお互い影響し合う関係です。ケーブルや基板パターン上のノイズが放射ノイズとなって空中にノイズとして伝わったり、反対に放射ノイズがケーブルや基板パターンに伝導ノイズとして伝わったりすることがあります。
ディファレンシャルモードノイズ とコモンモードノイズ
伝導ノイズはその伝わる経路によりディファレンシャルモードノイズ(ノーマルモードノイズ)とコモンモードノイズにわかれます。
スイッチング電源の例で説明します。
スイッチング電源で発生するディファレンシャルモードノイズは電源入力ライン間に発生するノイズで電流と同じ方向へ伝わります。
ディファレンシャルモードノイズはノーマルモードノイズとも言い、英語ではDifferential Mode Noizeと書きます。differentialは異なるという意味でノイズの入ってくる向きと出ていく向きが「異なる」のでdifferentialという意味です。
コモンモードノイズはスイッチング電源から発生したノイズが入力ラインから大地を伝わり、電源のノイズ発生源に戻る経路を言います。電源から入力ラインへ同じ向きでノイズが伝わりますのでコモン(Common Mode)です。