電源には直流電源と交流電源とがあります。交流ACでは時間とともに電圧と極性(+かー)が変化しますので、ここに抵抗が接続されるとその瞬間ごとにオームの法則(V=IR)を適用すると電流も変化します。
実際に電子回路(電子機器・装置)の電源として使われるのは全て「直流」で、交流はコンセントから電源(AC/DC)に供給されるまでというのが一般的です。というのは電子回路は変化しない安定的な直流電源で動作するように設計されているからです。確かにその瞬間ごとに電圧や極性が変わると設計のしようがありません。
回路上のいろんな場所の電圧は理想的な真っ直ぐな直流というわけではありません。直流といっても交流成分を持っていますが極性は変わらない「脈流」が代表的なものとしてあります。さらに電子回路のデジタル回路では上図のようにGND(0V)と一定電圧レベルを瞬時に行き来するような電圧が、回路のどこでもあります。このようなデジタル信号は交流信号や真っ直ぐな直流電圧よりも急激な変化の連続、しかも高速であるため、そのまま「ノイズ発生源」となってしまいます。
それでは電力会社から直流でコンセントまで送電すればいいのにと思いますが、交流(高圧)で送電するのは電流を小さくできること以外に「トランスによって任意の電圧に変換できる」特性があります。つまり、発電所から超高圧の交流で送電し、途中の何箇所もの変電所で徐々に電圧を落としていき最終的には電柱の変圧器(トランス)を経て家庭のAC100Vのコンセントに電力を供給することは直流のままでは無理なのです。