その「訪問」本当に必要ですか?「訪問しない営業」インサイドセールス
営業の基本は「顧客に会うこと」です。
それが「商談」ならいいのですが、電話やメールで済むような話を時間とコストをかけてわざわざ訪問することも多いのです。
というのは、営業マンは毎月の受注・売上ノルマ以外に「訪問件数と商談件数」の”ノルマ”があり、このノルマ達成のため客先訪問をしています。本来、ノルマは売上・利益目標を達成するための手段ですが、訪問件数と商談件数自体が目的化しているのです。
訪問営業のデメリットは他にもあり、移動時間や交通費、そのアポを取るための時間、営業マンが1日でこなせる訪問社数、そして移動できるエリアも限られてしまいます。
また、営業現場は社内からは見えないために営業ノウハウは共有化されず属人化し、営業マンによって売上が大きく変わる原因になります。
このようなデメリットも多い訪問営業ですがあえて「訪問しない」という選択肢はあるのでしょうか?
新型コロナウイルス感染対策の影響で営業マンの「対面営業」が出来にくくなった今、感染の危険が全くない訪問しない営業「インサイドセールス」が見直されています。
インサイドセールスとは「内勤営業」とも言われ、電話やメールなどで顧客や新規顧客と非対面でコミュニケーションをとり、顧客関係の強化・維持を行いながら商談機会を創出することが主な目的です。
今までの内勤営業といえば”営業アシスタント”という意味で営業マンを補助する仕事です。
ところが、ここで言うインサイドセールスは従来の営業アシスタントとは違い、専門的な知識・経験をもち見込み客へ電話やメールを通してコミュニケーションをとり、客先の電源需要や競合情報を入手しアポイント獲得までを行う専門部隊です。
訪問以降のプロセスはフィールドセールス「外勤営業」へバトンタッチしますので、効率的な営業活動が可能です。インサイドセールスはフィールドセールスよりも幅広い知識・経験・話術が必要になってきます。
従来の営業はリード(見込み客)獲得からリード育成・アポ獲得・訪問・提案・受注までを1人の営業マンが行いますが、分業化することによりインサイドセールスが主にリード育成とアポ獲得までを行います。分業化することで仕事が効率的・専門的になります。
インサイドセールスを従来の営業の中に組み込みむ場合は、営業プロセスを各部門の役割として分業する方法があります。出典:ボクシルマガジン「インサイドセールスとは」
これからのWEBマーケティング
とはいえ、営業プロセスを分業化したところでそれは売り手企業側の都合であって、営業プロセスの効率化・専門化が進むだけで受注売上を伸ばせるわけではありません。
今後顧客側のキーマンの世代も変わりデバイスやネットワークが進化する中、その営業プロセス自体も今のままで良いのかを考え直す必要があります。
デジタルネイティブ世代への対応
デジタルネイティブ世代(1990年以降に生まれた現在30歳以下の若者)が顧客企業のキーマンになる時期がもうすぐきます。
この世代の特徴は
・対面でのコミュニケーションが苦手
・ネット検索に依存している
つまり、従来の対面営業型のフィールドセールスだけでは対応出来ないということはすぐにわかります。
顧客の変化に対応して非対面でのコミュニケーションを増やしていく必要があります。つまりこれからはインサイドセールスが重要な役割を果たすことになります。
12回のWEB検索
顧客は営業担当者よりも「WEB検索」を圧倒的に重要視しています。
B2B市場においても、顧客企業の電源選定・購買活動は大きく変化し、WEBに大きく依存しつつあります。
アメリカのビジネス雑誌「Business 2 Community」のレポートによると
B2B市場において、90%以上の顧客は購入製品を見つけるまでに12回の検索をし、74%がWEB検索から選定をスタートさせています。
出典:Business 2 Community 「Understanding the Modern B2B Sales Process」, Forrester Research, think with Google
「12回の検索をくぐり抜けて初めて商談相手として選ばれるのです。」
この調査結果が示しているのは選定キーマンが営業担当者と会う前にWebを使って念入りに情報収集しているB2Bの顧客です。ベストな製品(電源)と確認するために何度も何度も検索し比較する慎重な買い手の姿です。その慎重な買い手から候補として選んでもらうためには、12回の検索結果後に顧客側に「この製品を使おうかな」という候補に残っていないといけません。
このことはWEB検索でただ単純に上位に表示させることを目的とした従来のSEO対策だけでは不十分で、12回もの検索・調査を通じて顧客の採用しようとする製品に最もいい製品(電源)であると顧客側に認めてもらう必要があります。