【解説】スイッチング電源がPSEを取得していないのはどうして?

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「直流電源装置」と「機器組込用直流電源ユニット」の違い

まず直流電源装置を説明します。

直流電源装置

ACアダプター

PSE特定電気用品の中に「直流電源装置」があります。
でも一般のスイッチング電源でPSEを取得しているものはほとんどありませんが、どうしてでしょうか? スイッチング電源は「直流電源装置」ではないのでしょうか?

実はPSEは最終製品(完成品)を対象としていますので、装置に組込む製品は”部品扱い”になり一般のスイッチング電源はPSE対象製品にはならないのです。
そもそもスイッチング電源はそれ単体で使われることはほとんどなく装置や機器内に組み込むことを前提に作られています。その証拠にスイッチング電源は基板単体であったり、装置や機器に取り付けるためのネジ穴があるシャーシ上に取り付けられています。

PSEの対象製品の「直流電源装置」とは電源単品で使われ市場でも最終製品として売買されているものです。代表的なものはノートパソコンやゲーム機などのACアダプターは外置きで使い、電源単体で売買もされますのでPSE対象製品です。そういえばACアダプターには菱形PSEマークがついています。

 

機器組込用直流電源ユニット

PSEには「直流電源装置」とは別に「機器組込用電源ユニット」とういう電源があります。ややこしいのですが、この「機器組込用電源ユニット」はPSE対象外の電源なのです。

なぜ、わざわざPSE対象外の電源を規定したかとういうと、スイッチング電源がPSE対象になるのか非対象なのか問い合わせが増えたこともあり、H15年に経産省が一般のスイッチング電源は「機器組込用直流電源ユニット」としてPSE対象製品ではないことを通達したのです。

経産省の「機器組込用直流電源ユニット」をまとめると具体的には以下のいずれかの電源になります。一般的なスイッチング電源のほとんどはこの条件に当てはまりPSE対象外となります。

基板型電源

一般的な基板単体のスイッチング電源です。入出力はコネクタと端子台タイプがあります。確かに基板型は機器に組込みしないと使えません。

 

 

シャーシ付きの基板型電源とユニット電源

上の基板型電源にシャーシ(L板金)をつけたタイプです。PSEではシャーシは「ブラケット」と呼んでいます。ブラケットがあることで機器に取付やすくなります。

 

 

 

ユニット型電源はもともとシャーシ付き(カバーなし)です。

 

 

 

入力部が端子台のカバー付きユニット電源

ユニット電源にカバーをつけたもので、入力部が端子台のタイプです。一般的にユニット電源は入出力端子台が多いです。

 

 

出力がコネクタのシャーシ・カバー付きの基板型電源

基板型電源にシャーシとカバーをつけたもので、出力がコネクタタイプです。一般的に基板型電源は入出力はコネクタが主流です。

 

 

 

まとめると基板型電源とユニット電源はシャーシ・カバーを外してもつけても全て「機器組込用直流電源ユニット」になりPSE非対称です。

反対に以上の①〜④の条件に当てはまらない電源はPSE対象の「直流電源装置」になります。つまりシャーシとカバーで覆われた基板型電源またはユニット型電源で入出力のどちらかか両方がケーブル(ハーネス)のものです。

わかりやすい例としてはコーセルのSPLFAシリーズがあります。基板型電源のLFAシリーズをPSE対象の「直流電源装置」にしたものです。なお、SPLFAシリーズは廃品済です。

 コーセル「SPLFA」シリーズ

 

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