国内スイッチング電源市場

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スイッチング電源の国内市場規模

スイッチング電源を内作するメーカーがあるためため、正確なスイッチング電源の統計は存在しません。(スイッチング電源を内作する理由はスイッチング電源の標準品に希望する仕様・サイズの機種がないことや発注ロット数量や単価などの条件が合わず特注スイッチング電源メーカーに受けてもらえなかったことです。)

大まかにはカスタム電源と標準品合わせたスイッチング電源の国内市場規模は4,000〜5,000億円、標準品は400億円といわれています。標準品はスイッチング電源の専業メーカーであるコーセル社とTDKラムダ社の2社でシェア70%の寡占(複占)状況にあります。この2社以外のスイッチング電源のメーカーはオムロン、IDEC、サンケン電気、ニプロン、アジア電子工業、キーエンス、サンエー電機などです。

データとしてはJEITA(電子情報技術産業協会)が3年毎に出版している「スイッチン電源の現状と動向(2019年)」がありますが世界製造額でそれによりますと世界のスイッチング電源の生産額は1兆3587億円(2015年度実績)だそうです。スイッチング電源メーカーの本社(開発)としては日本、アメリカ、ドイツで生産国は中国と東南アジアです。

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米中貿易摩擦とスイッチング電源の市場動向

 米中貿易戦争の影響で中国景気減速が強まりアジア経済・ヨーロッパ経済も減速傾向が強まりました。中国側の発表によると昨年2019年のGDPの実質成長率(物価変動を除いた速報値)は+6.1%と2年連続の減速だそうです。

 米国は中国がアメリカから2021年末までの2年間に2,000億ドル(22兆円)の物品を追加購入することで第一段階の合意をしたとトランプ大統領が発表しました。2,000億ドルもすごい額なのですが、内訳は777億ドルが航空機、370億ドルは農産物です。農産物は豚コレラの影響で中国内で不足している豚肉もありますが多くは家畜用穀物飼料です。

 第一段階の合意後もアメリカの対中制裁関税3,700億ドル(41兆円)は第二段階の合意が行われるまで継続するとのことで中国経済の減速は当分の間続くものと思われます。次の第二段階の合意するには中国がアメリカに約束した2,000億ドルを購入することが条件なのではじめから出来ない合意といのはアメリカ国内の評判です。

 アメリカ経済自体はGAFAを中心としたIT関連企業が絶好調で株価も上がっています。残念ながら物作りする企業ではありませんので、日本のエレクトロニクス業界は引き続きスマホやデータセンター関連設備需要の低迷によりメモリー・半導体の市況悪化が続くものと思われます。

一方、第5世代移動通信システム(5G)導入に向けた需要や人手不足による工場のロボットやスーパーやコンビニ・衣料品店などのセルフレジ、物流搬送機器、高齢化社会に向けた医療介護・検査装置、需要拡大中のリチウムイオンバッテリーやLED市場などが立ち上がってきております。

スイッチング電源は装置メーカーの機器や装置に必ず搭載されますので、売り上げはそのまま装置メーカーの売り上げに左右されます。スイッチング電源メーカーはこれらの業界にアプローチしスペックインするしか方法はありません。

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国内スイッチング電源メーカーの生産動向

 中国やその他のアジア諸国で特殊な部材以外は調達でき製造コストも安いことで他の電子部品と同様にスイッチング電源も海外に生産シフトが進みました。ー昨年はセラミックコンデンサの生産終了問題がありスイッチング電源の納期がかなり切迫し、一部エンドユーザーはスイッチング電源を他社への置き換えを行いました。スイッチング電源メーカー側も一部主力モデルを国内生産に戻したり、緊急時のバックアップのため複数工場で生産できるシステムへ変更したりなど対応しています。

 海外工場は製造コストが安いとはいえ、輸送コスト・船便日数や税関手続き、為替リスク、トラブル時のエアー対応を考慮すると国内工場より製造コストが実質高くあっていると思います。「見かけ上」は海外生産品が安いのですが、納期遅れ対応で海外工場・下請け工場に数日かけて交渉し、エアーへ変更の手配をし成田空港まで営業マンが直接電源を引き取りに行く場合、そのかかった費用は個別にその製品の原価に上乗せできるわけではありません。それらのコストは工程管理担当者と営業マンの人件費、エアー便費用にまとめられてしまいわかりません。

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