ロボットコントローラーのスイッチング電源
スイッチング電源が手術ロボットのどこで使われているかですが、産業用ロボットと同じで「ロボットコントローラー」と呼ばれる制御装置に搭載されています(ダ・ヴィンチではビジョンカートの下部ではないかと思われます)。
手術ロボットは手術室で使われますのでコンパクトでファンの音がしない、ホコリをたてないことが要求されます。ところが、産業用のロボットコントローラーは小型冷蔵庫くらいありファンで冷却しますのでそれをそのまま使うことは出来ません。
スイッチング電源の容量(ワッテージ)は300W程度ですが、薄型にするため高効率のACDCかDCDCパワーモジュールで電源入力部を構成し出力部は非絶縁のDCDCコンバータやPOLで構成します。パワーモジュールはアルミダイキャストのロボットコントローラー本体に接着させて放熱し(インダクションクーリング)、保持時間も長く持たせるよう電解コンデンサを10本くらい並べます。
ところで、日本の産業用ロボットメーカーがダ・ヴィンチのような手術ロボットを作れないのはどうしてでしょうか?世界No.1の技術力があるので問題なく作れるはずです。作れないのは厚生省の認可がなかなか下りないことや医療業界の独特の営業が原因だと言われています。それで産業用ロボットメーカーが医療機器・分析機器メーカーと組んで手術ロボットを開発するのでしょう。
*神戸市はポートアイランドに産官学の医療特区があり川崎重工とシスメックスが手術ロボットを開発し先日、国内初の手術ロボットによる手術が行われました。