フッ化水素以外にも半導体製造に欠かせない戦略物資があった!

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 最近話題の韓国向けの輸出運用見直しの「フッ化水素」ですが、実はそれ以外に「レジスト」と「フッ化ポリイミド」も今回の見直しに含まれています。フッ化水素は半導体製造時に洗浄剤として使われますが、同時にウラン濃縮や毒ガスの製造にも使われます。レジストは半導体製造時のイオン注入やエッチングの工程で使われる保護膜、フッ化ポリイミドは基板上の絶縁に使われるシートのようなものです。これら3物資は半導体やディスプレイ製造にはなくてはならないものです。これらの品目は韓国以外の国と同じく毎回輸出審査され経済産業大臣の承認が必要となります。

JETRO(日本貿易振興機構)のHPで韓国貿易協会が作成した3品目の国別輸入現況の資料があります。この資料を見るとフッ化水素よりレジストとフッ化ポリイミドの対日依存度は90%以上でフッ化水素の対日依存度43.9%よりも倍以上高いことがわかります。

また興味深いのが韓国はすでに日本より中国から多くのフッ化水素を購入しているのです。それでは日本からフッ化水素を輸入しなくても中国から100%輸入すればいいのではないかと思いますが、そうできない理由があります。たぶん中国製より日本製のフッ化水素の方が品質が高い、つまり純度が高いのではないかと思います。洗浄剤として使うわけですから異物が入っていると意味がありません。価格も中国製よりも日本製の方が格段に高いのでしょう。それでも日本製を使うのは半導体の製造ラインではホコリは絶対にダメで、特に洗浄剤の良しあしで完成した半導体の精度に影響が出るはずです。安価な汎用品の半導体なら中国製のフッ化水素でもいいのですが、ハイエンド製品の半導体は日本製のフッ化水素でないとつくれないのでしょう。

さて、マスコミや地上波TVではさかんにメモリ(DRAM)の製造が滞りパソコンやスマホが製造できず、ひいては日本のメーカーが困ると言っていましたが、そもそも日本国内でパソコンやスマホを製造している会社はほとんどありません。困るのは中国です。それに最近パソコンはあまり売れず、スマホも販売は一段落しているので市場ではメモリはだぶついており価格はここ1年で半額になっています。今回のことが実質の生産調整になり価格も戻るのではと思います。

日本国内で困るとすればフッ化水素やレジスト、ポリイミドのメーカーです。例えばフッ化水素は国内に3社メーカーがありますが「森田化学工業(株)」がほぼ市場を独占しているそうです。フッ化水素の市場自体大手が参入するほどのボリュームがないのです。

すぐにはフッ化水素を韓国以外に売れる国は見つかりません。というのは半導体の製造は装置産業のため莫大な費用がかかるので、現在では韓国以外でメモリを作れる国はアメリカと日本くらいでしょうか。ちなみにDRAMの世界シェアはサムソンが46%、SKハイニクスが26%、あとはマイクロンテクノロジー社が21%です。アメリカのマイクロンテクノロジー社は東広島に主力工場がありますのでここで韓国のサムスンやSKハイニクスに代わってメモリを生産すれば最高です。戦略物資が北朝鮮に流れることを防ぐことでテロ対策と同時に日本とアメリカの半導体メーカーの復活と一石二鳥になることを願います。

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