ドロッパー電源ともいいます。ツェナーダイオードや三端子レギュレータを使い出力電圧を調整します。ツェナーダイオードは定電圧ダイオードとも呼ばれます。ある電圧を境に電流が流れる定電圧ダイオードとして機能するので、これによって出力電圧の一定化が図れます。
三端子レギュレーターというのは、ツェナーダイオードによる定電圧(基準電圧)と出力電圧の誤差を検知し、これをトランジスタで増幅・補正することで電圧の安定化を図る素子です。回路全体が1チップ化され、IN・OUT・GND(グランド)の3つの端子をもつので3端子レギュレーターと呼ばれます。
三端子レギュレーターは小型で使い勝手にすぐれるので電子機器に多用されてきました。しかし、発熱ロスが大きいため、放熱のためのヒートシンク(放熱板)が必要になります。このため大出力の電源には不向きですが、回路が簡単かつノイズが少ないという長所をもつため、計測器や医療用機器、高級オーディオ機器などに用いられます。
スイッチング電源と比べると効率、放熱量、大きさと重量など劣っていますが、放射ノイズがなくノイズ対策がいりません。そのため一部計測機器や薄膜製造装置などに使用されます。
スイッチング電源 | リニア電源 | |
回路 | 複雑 | 単純 |
効率 | 高い(70〜95%) | 低い(50〜60%) |
大きさ | 小型 | 大型 |
重量 | 軽量 | 重い |
放熱量 | 小さい | 大きい |
放射ノイズ | あり | なし |
コスト | 安い | 高い |