電源内部の寿命はアルミ電解コンデンサやフォトカプラ、ファン、リレー、はんだ接合部寿命があります。一般的に電解コンデンサの寿命が最も短い部品で電解コンデンサの寿命=電源の寿命とされています。電解コンデンサの構造は内側に電解液がしみ込んだ電解紙と電極のアルミ箔が巻かれています。
電解液が徐々に電解コンデンサの外に蒸発していき静電容量(単位:μF)が減少していきます。その静電容量が出荷時から20%減少した時点までを電解コンデンサの寿命と規定しています。寿命といっても電源がすぐに止まるわけではなく、電解コンデンサのリップルノイズが少し大きくなる程度です。電源をそのまま使い続けると静電容量の減少に反比例し電解コンデンサの抵抗値(tanδ)が高くなります。抵抗値が高くなると電解コンデンサがさらに発熱し電解液が蒸発するという具合に加速度的に静電容量が減少していき最終的には電解コンデンサがドライアップしオープン状態となり電源が停止します。
電解コンデンサの推定寿命計算式はアレニウスの10℃則によります。周囲温度が10℃上がると寿命が半分になり、反対に周囲温度が10℃下がると寿命は2倍になります。この公式を使って電解コンデンサの期待寿命=電源の寿命を算出するのですが、メーカーにより独自の式で計算するところもあります。
L₀は電解コンデンサの表面温度の最高使用温度(105℃が一般的)での保証寿命をいい、1.000時間から長いものだと1万数千時間まであります。
電解コンデンサの寿命は出荷時の静電容量が20%減少した時点と決められています。ただし、電解コンデンサのリード足部の封口ゴムの保証が10年(実力15年)のため電源メーカーが保証できるのは10年までです。封口ゴムの劣化が進むと電解コンデンサ内の電解液が漏れ出しリード線を伝って基板上のパターンをショートさせることもあります。