電磁感受性(EMS)

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電磁感受性(EMS:Electro Magnetic Susceptibility)とは他の機器やシステムからの電磁妨害を受けても誤動作せずに動作する耐性でイミュニティとも言います。同じようなものに電磁妨害性(EMI:Electro Magnetic Interference)電磁両立性(EMC:Electro Magnetic Compatibility)があります

装置から発生する電磁妨害波が他のどうような機器、システムに対しても影響を与えないくらい小さいことを電磁妨害性(EMI)と言い、電磁両立性(EMC)はEMIとEMSの両方を言います。つまり、ノイズも少ししか出さないし他からのノイズの影響も受けないということです。

EMC=EMI+EMS

電磁両立性を考慮する大きな目的は、異なった複数の機器が同じ環境に混在しても正しく動作するたことです。

工場などでは複数の装置・機器が稼働していますが、それぞれ機器から出るノイズが他の装置やききに影響を与えず、反対に他の装置からのノイズに対しても影響を受けないということです。

実際にあったノイズによるトラブル事例としてはいくつか報告されています。

  • 山梨県のパルプ加工工場でNC制御盤の制御部が誤動作し、主軸の回転に巻き込まれた作業員が死亡
  • 大阪府堺市の私鉄駅で、列車無線の交信ができなくなるほどの雑音が生じた。原因が20m ほど、離れたところにあるゲームセンタのゲーム機から漏れた電磁波が原因でした。
  • 心臓ペースメーカの患者が電気温熱医療器を使ったところ、ペースメーカが停止した。
  • 携帯電話を病院内で使用していたところ、患者に使われているシリンジポンプが誤動作した。

 

国際規格IEC61000には以下の試験が規定されています。

IEC61000-4-2:静電気放電イミュニティ・・・・静電気が電源の筐体や端子に印加された時に誤動作や破損しないことを確認する試験
IEC61000-4-3:放射性無線周波電磁界イミュニティ・・・・放射性無線周波数電磁界*に電源が暴露された時に誤動作や破損がないことを確認する試験
IEC61000-4-4:電気的ファーストトランジェントバーストイミュニティ・・・・入力ラインから電気的ファーストトランジェントバーストが電源に印加された時に誤動作や破損がないことを確認する試験
EC61000-4-5:サージイミュニティ・・・・入力ラインから雷の過渡現象から発生する過電圧(サージ電圧)が電源に印加された時に誤動作や破損がないことを確認する試験EC61000-4-6:伝導性無線周波電磁界イミュニティ・・・・入力ラインに不要な電磁界が誘起した場合に電源が誤動作や破損がないことを確認する試験
EC61000-4-8:電力周波数磁界イミュニティ・・・・電力周波数(50Hz)の電磁界に電源が暴露された時に誤動作や破損がないことを確認する試験
EC61000-4-11:電圧ディップ、瞬停及び電圧変動イミュニティ・・・・入力電圧の電圧低下(ディップ)や瞬時停電によ電源が誤動作や破損しないことを確認する試験

*放射性無線周波数電磁界:無線送信機、テレビ送信機、溶接機、蛍光灯などが発生する無線周波数の電磁界

判定基準は試験中は出力電圧の変動が±5%、試験後は初期値と同じ。発煙発火しないことです。

 

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