IEC61000は国際電気標準会議(International Electro technical Commission)が電気・電子機器の電磁両立性(EMC)について定めた規格です。
電磁両立性とはElectro Magnetic Compatibility(EMC)のことで、電気・電子機器の発する電磁妨害波(EMI)が他のどうような機器・システムに対しても影響を与えず、かつ他の機器・装置からの電磁妨害波を受けても誤動作せずに正常に動作する耐性、電磁感受性(EMS)を持つことです。つまり自分からノイズを出さない、他からのノイズで誤動作しないということです。
EMC=EMI+EMSの関係が成り立ちます。
IEC61000には61の規格がありますが主な規格には以下のものがあります。
規格番号 | 規格名 |
61000−3−2 | 高調波電流エミッションの限度値 |
61000−3−3 | 電圧変化、電圧変動及びフリッカの限度量 |
61000−4−2 | 静電気放電イミュニティー試験* |
61000−4−3 | 放射性無線周波電磁界イミュニテイー試験* |
61000−4−4 | 電気的ファーストトランジェントバースト・イミュニティー試験 |
61000−4−5 | サージイミュニティー試験 |
61000−4−6 | 伝導性無線周波数電磁界イミュニティー試験 |
61000−4−8 | 電力周波数磁界イミュニティー試験 |
61000−4−11 | 電圧ディップ、瞬停及び電圧変動のイミュニティー試験 |
簡単に試験方法の説明をします。
静電気放電イミュニティー試験は「静電気が電源のケースや端子に印加されたときに誤動作や破損しないことを確認する試験」です。
放射性無線周波数電磁界イミュニティー試験は「無線送信機、テレビ送信機、溶接機、蛍光灯などから発生する無線周波数の電磁界にさらされた時に誤動作や破損がないことを確認する試験」です。