電磁両立性(EMC:Electro Magnetic Compatibility)とは電気・電子機器の発する電磁妨害波(EMI:Electro Magnetic Interference)が他のどうような機器、システムに対しても影響を与えず、また他の機器やシステムからの電磁妨害を受けても誤動作せずに動作する耐性で電磁感受性(EMS:Electro Magnetic Susceptibility)と言います。
EMCはEMIとEMSを満たすこと、つまり
EMC=EMI+EMS
電磁両立性を考慮する大きな目的は、異なった複数の機器が同じ環境に混在しても正しく動作するたことです。
工場などでは複数の装置・機器が稼働していますが、それぞれ機器から出るノイズが他の装置やききに影響を与えず、反対に他の装置からのノイズに対しても影響を受けないということです。
実際にあったノイズによるトラブル事例としてはいくつか報告されています。
- 山梨県のパルプ加工工場でNC制御盤の制御部が誤動作し、主軸の回転に巻き込まれた作業員が死亡
- 大阪府堺市の私鉄駅で、列車無線の交信ができなくなるほどの雑音が生じた。原因が20m ほど、離れたところにあるゲームセンタのゲーム機から漏れた電磁波が原因でした。
- 心臓ペースメーカの患者が電気温熱医療器を使ったところ、ペースメーカが停止した。
- 携帯電話を病院内で使用していたところ、患者に使われているシリンジポンプが誤動作した。