【解説】スイッチング電源とは 簡単に電源のキホンを理解できる!

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スイッチング電源の種類

定電圧電源と定電流電源

 スイッチング電源とひとくくりに言ってもたくさんの種類があります。まず出力電圧を一定にする「定電圧電源」と出力電流を一定にする「定電流電源」に分かれます。スイッチング電源だからといって必ず定電圧電源というわけではありません。

LEDやバッテリーなどは定電流を要求されますし、最近はますますその需要が増えています。ところが定電流電源のメーカー自体が限られており定電流電源の種類も少ないためにカスタム電源にせざるを得ないことが多いです。

それで定電圧電源の過電流保護機能を利用して”簡易的”に定電流電源として使うことがあります。過電流保護は定格電流より電流が多く流れると電流値はそのままで電圧だけが下がります。電流値が下がり過電流状態でなくなると電圧値も定格電圧に自動で戻ります。
この過電流保護の動作するポイントをボリュームなどで変えることで定電流電源として使えます。ただし、過電流保護の動作が「垂下方式」の電源に限られ「フの字方式」や「ハの字方式」では定電流電源としては使えません。電流値の精度がラフな定電流制御でいい場合に限られます。

 

 

標準電源とカスタム電源

 スイッチング電源には「標準電源」「カタログ電源」「準標準電源」「カスタム電源」「特注電源」があります。

 標準電源とカタログ電源は同じ意味で電源メーカーがカタログやHP上に製品の仕様や寸法、データ類を載せて不特定多数のユーザーに販売する電源です。
多くのユーザーが使いやすいように平均的な電気仕様で安全規格を取得し、形状・取り付けは業界の標準的なサイズにしています。ユーザーは1台から注文することができ、電源メーカーの一次特約店や二次販売店、地場商社、WEB販売店を経由して購入することができます。

 準標準電源は標準電源にオプションを追加したモデルになります。オプションはモデルごとにいくつかあります。例えば「ON/OFFコントロール」や「出力電圧可変ボリューム」「縦型端子台」などのオプションは機種名の最後にRやV、Tなどの英数字をつけて判別します。価格はオプション分が追加され、納期は1〜2ヶ月程度です。基本は受注生産品と考えた方が賢明です。

 カスタム電源と特注電源は同じ意味です。ある特定ユーザー向けに最終製品の仕様に合わせて設計・製造される電源です。そのため電気仕様・形状は標準電源にはない特殊な仕様になります。逆に言えば、標準電源では適合する電源がなかったので、仕方なくカスタム化したとも言えます。
カスタム電源の用途は様々ですが主に民生用機器に使用されます。民生用機器に使われる電源は機能・形状・サイズ、さらにコストの制約が厳しくそれ専用に設計する必要があります。
データや安全規格は費用の関係もあり、ユーザーが必要なものだけを取得することになります。カスタム電源は設計開発費や規格取得費用は全てユーザー負担になりますのでよほど台数が見込めない限り特注化すべきではありません。

一般的には月500台以上、年間5,000万円がカスタムの最低ラインと言われています。カスタム電源は終息の時期や発注ロット数でトラブルになることが多く、最初にしっかり契約書に記載しておく必要があります。

 普通は「標準品=大量生産=安価」「カスタム品=少量多品種=高価」ですが、スイッチング電源業界では全く逆の「標準品=少量多品種=高価」「カスタム品=大量生産=安価」であるといわれます。確かに1ユーザーから見ればそうですが、標準品は日本全国の多数のユーザーから注文を集めて電源メーカー側でまとめて生産しているのです。

 

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