感電の人体への影響
人が誤って100Vのコンセントや電線に感電した場合、どれくらいの電流が体に流れるのでしょうか?人の抵抗値は2000Ω~4000Ωといわれています。体格の違いや肌が乾燥しているか濡れているか、感電した体の箇所によって抵抗値が変わります。おおざっぱに言うと2000Ωは小柄な痩せている人が汗をかいた状態のとき、4000Ωは大柄な人が肌が乾いているときです。
オームの法則から電流値を計算すると
I(A)=V/R=100/2000=0.05A=50mAとなり人体に50mAの電流が流れることになります。
では50mAはどれくらいの衝撃なのでしょうか?
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」に以下の情報がありました。それによると1mAで電気を軽く感じる程度、5mAで痛みを覚える程度、50mAが人体に流れると「気絶したり心肺停止の可能性もある」そうです。心肺停止は感電する経路に心臓があるときですが、命の危険があるということです。
感電は電流よりも高い電圧のほうが危険なように思いますが、直接電圧は感電に関係しません。 その証拠としては静電気の電圧は3,000Vを超えますが、電流値が小さいので「パチッ」とするくらいですんでいるのです。感電で死ぬかどうかは、電源電圧でなく、体に流れる電流で決まります。
スマホ充電器は5Vですが、1Aくらいの電流を出力できるため充電プラグの先を風呂の湯につけると人が感電死することがあります。
実際、ロシアの12歳の少年が充電中のiphoneを風呂に落として感電死したり、タイではスマホを充電しながらヘッドホンで16歳の少女が感電死した事故や、フランスでも入浴中のスマホ充電で15歳少女が感電死事故があります。タイの16歳の少女の例では体に火傷の跡もあり即死だったようです。充電しながらスマホを操作することは非常に危険です。充電器は絶対風呂にもっていかないことです。
では銭湯の「電気風呂」では感電死しないのでしょうか?電気風呂は電気を流しているので「感電」はしています。一般的に電気風呂の電圧は3V~10Vで電流は1mA~10mA程度です。電気風呂の電源は定電流電源でそれ以上電流が流れないようになっています。